女性 53歳 主婦
症状:寝つきが悪い、熟睡できない
現病歴
若いころから長年、入眠障害(寝つきが悪い)と、熟睡障害(夜中に何度も目覚めて熟睡できない)に悩まされてきた。近所のクリニックで睡眠薬をもらって飲んでいた時期もあったが、目覚ましい効果はなかった。その後は半ば諦めて不眠の症状に悩まされながら過ごしてきたが、鍼治療で改善することが可能だと知って、来院した。
鑑別診断
長年、冷え症にも悩まされ、足が冷えて夜なかなか眠れないというので、冷えからくる入眠障害だと思われた。
問診と触診の結果、眼科系や耳鼻咽喉科系の疾患ではないことが明らかになったので、鍼と温灸による治療で冷え性と不眠症を治すように患者にアドバイスした。
治療法
週2回のペースで、瘂門(あもん)、翳風(えいふう)、印堂(いんどう)、百会(ひゃくえ)などへの鍼による治療、消化器系とつながったツボへの鍼刺激、温灸を併用して治療を続けたところ、徐々に症状は改善され、半年後にはほぼ完治。かなり熟睡できるようになった。
消化器系とつながったツボへの重点的な治療と、患者が食生活を改善する努力を重ねたことが安眠、熟睡へと導いた。