30代 男性
病状:顔面神経麻痺(ベル麻痺)
現病歴
昨年4月から顔に麻痺が出始めた。原因に心当たりはなく突然発症。
病院では顔面神経麻痺(ベル麻痺)と診断され、星状神経節ブロックを受けたが効果が感じられず。ほかの鍼灸院でも治療を受けたが、改善はしなかった。
接客業のため、左側の顔の筋肉が動かせず表情筋が硬くなり早く治したいとドクター・リウ鍼灸院に来院。
鑑別診断
左額のしわ寄せができない
両側の目をちゃんと閉じることができない
物を食べるときに左側を動かすことができない
口笛を吹くことができない
舌の前の2/3の味覚は星状
麻痺が発症してからは左側の口のみ使ってごまかしながら食事をしていた様子。
以上の検査により、左の顔面神経麻痺と診断。
治療法
翳風(えいふう)、頬車(きょうしゃ)、顴髎(けんりょう)、地倉(ちそう)など顔面神経麻痺の根幹部、神経に沿った刺鍼を中心に鍼刺激を。
地倉・顴髎は神経に沿って斜刺。患側に取穴して置鍼は長めに。
週1日または週2日の頻度で1ヶ月半くらい治療を続けたところで、しわ寄せが少しできるように変化が見られた。
治療を重ねるごとに左側の頬や口周りの筋肉も動くようになり、現在も治療を継続中。
職場や周りの人達からも顔の表情が戻ってきたと言ってもらえるまでに回復し、今は忙しくても治療を続けている。
普段の生活においては家の中でも外でも、患部を冷やさず温めること。
また、表情筋のトレーニングをするよう指導している。