女性 66歳 主婦
症状:膝痛
現病歴
1年前から左膝の運動時痛に悩まされるようになった。特に階段を下りるときに運動時痛は顕著になった。近くの整形外科で診察を受けると、レントゲン検査の結果、変形性膝関節症と診断される。
軟骨が摩耗し、わずかに骨棘も形成されている。
整形外科で内服薬と湿布薬の治療を受けたが、治療効果が上がらなかったので、鍼灸院、あん摩マッサージ治療院を経た後、当院に来院。
鑑別診断
初診時には、階段の上り下りが不自由なだけでなく、歩行時にも軽い痛みを感じるようになり、しかも歩行時に膝の完全進展ができなくなっていた。
問診で腰背部や大腿部にも痛みがないか確認したところ、自覚症状はなく、腰背部や大腿部への触診もしたがとくに脊柱や股関節の疾患に起因するような兆候は見当たらなかった。念のために、膝痛が出る以前に、スポーツなどで膝を痛めたことはないか確認したが、まったく記憶にないとのことだった。
治療法
週に1回、外膝眼、内膝眼、委中(いちゅう)を中心に、膝周りや足のツボへの張りによる治療を施し、患部に灸による治療を施した結果、約2週間で膝周囲の筋肉の痛みが軽減した。ただし、まだ階段を下りるときには少し痛みが残存。
その後も同様の治療を続けたところ、半年後、痛みは完全に消失。
アドバイスに基づいて、大腿四頭筋や下腿三頭筋の筋力を強くするための運動を毎日欠かさず実行するようになったため、その後、膝の痛みが再発することはなくなっている。