女性 60代 主婦
症状:だるさ、倦怠感、消化不良
現病歴
2ヶ月ほど前から何事もやる気が起きない。少し前に引っ越しをして荷物を片付けなければいけないが、やる気が起きずできない。
時には食事を作ることもできなくなる。歩くときも足がうまく動かず引きずっている音がする。
主な症状としてはだるさ・倦怠感・消化不良・どれだけ寝ても眠いなど。1年前までは旅行や食事などで外に出ることが多かったが、ここ最近はまったく出かけていないのも原因の一つではないかと思っている。
このまま動けなくなるのではないかと心配になり、早く以前のように動ける体になりたく来院された。
鑑別診断
頚部から肩部、背部全体の硬さが強く呼吸が浅い。
外に出かけず人とあまり話さなくなったことも大きく関係していると思われる。
体を動かしていないせいか全身のむくみがあり、胃腸の動きも良くない。お腹は冷えており季肋部のあたりを触ると苦しい。
治療法
頚部の筋緊張が一番強かったため、緊張をとること、且つ自律神経にアプローチするため天柱(てんちゅう)・風池(ふうち)を刺激。
そのあと肩甲骨内縁や脊際の反応点に単刺をした。脚のむくみに対しては脾経をメインに治療し、冷えもあったため三陰交(さんいんこう)に置鍼。
この時点でとてもリラックスしていて治療開始時より息も吸えるようになっていた。仰向けで腹部に刺鍼することで内臓を刺激し、最後に少しだけ抵抗運動をして終了。
治療前よりもだるさが抜け歩きやすくなった。2回目の来院時は前回よりは良いもののだるさが戻ってきていることを共有。
週1回の頻度で来院していただき、4・5回目で足を引きずることはなくなり片づけができるようになっていた。
またあの不調が続いていた時に戻るのは怖いと、現在も週1回のペースで来院されている。