女性 60代 会社員
症状:右股関節の痛み
現病歴
来院される1週間ほど前から、歩くと右の上前腸骨棘の下辺りに痛みが出現。階段の昇りでも痛む。
思い当たる原因がなく、動かさないと痛みはないが、朝の動き始めは痛みを感じる。動いているうちに痛みは感じなくなるが、長く歩いているとまた痛みだす。
まだ病院では診てもらっていないが、定期的に当院に通っているので、施術を受けて様子をみたいとのことで再来院された。
鑑別診断
自発痛・夜間痛はないとのことだったので、内臓由来の痛みではないことを想定し、パトリックテスト陰性とニュートンテスト陰性によって、股関節・仙腸関節の障害も除外した。
トーマステストが陽性だったことと、仰臥位で右の膝を胸に近づける抵抗運動での痛み再現のため、腸腰筋のタイトネス(筋肉の柔軟性不良)が原因と判断した。
治療法
腹臥位で腰臀部の指圧マッサージと鍼施術を。仰臥位・側臥位で股関節周りの筋緊張をとる施術をし、仰臥位で腸腰筋と大腿四頭筋に置鍼。
念のためお腹周りの緊張をとった後、腰部・下肢のストレッチをした。
施術中は腸腰筋へのアプローチで痛みを訴えていたが、一通りの施術のあと、再度の腸腰筋のマッサージでは痛みを感じなくなったとのこと。
術後良好で、再発予防のため定期的に来院されている。
生活指導
長時間、椅子に座り続けて仕事をしていたらしいので、小まめに立ち上がり股関節周りに血行を回復するよう指導した。
腸腰筋のストレッチのやり方も説明し、朝晩1日2回してもらうことにした。次回、約1ヶ月後の受診で、股関節の痛みは完全になくなっているとのお言葉を頂いた。