女性 40代 主婦
症状:左膝の痛み
現病歴
テニスをしているときに左ひざを痛めた。日常生活をする上では何も問題はないため、病院には通ってない。左膝の痛い場所はその時々によって違う。
左足首が緩いから膝が痛くなりやすいのかもと話されていた。日中は座りっぱなしで、パソコンやスマホを見ることが多く、休みの日はテニスで思いっきり動いてプレーをしたいので、早く治したいとハリアップに来院された。
鑑別診断
前後方引き出しテスト、押し引きアプレーテスト陰性により、前後十字靭帯、外側・内側側副靱帯、半月板の損傷などはないと判断した。
膝蓋骨圧迫テスト陰性で膝関節の屈曲・伸展に制限はないため、膝関節が直接的な問題ではなく、テニスのプレー中の動きに問題があると考えた。
治療法
まずは伏臥位で全身のマッサージを行い、硬さや圧痛部位を確認。ハムストリングス・膝窩筋・腓腹筋の硬さが左右どちらも見受けられた。
次に鍼で脳脊髄液の循環を良くし、セロトニン分泌を促すために、首の天柱(てんちゅう)・風池(ふうち)・完骨(かんこつ)に切皮程度の単刺を行う。
そのあと下肢の殷門(いんもん)・委中(いちゅう)・承筋(しょうきん)・承山(しょうざん)・飛揚(ひよう)・太渓(たいけい)・崑崙(こんろん)に単刺を行い、左の陰谷(いんこく)に5分間置鍼を。
そのあと仰臥位で、マッサージを行い下肢の硬さを確認したところ、大腿四頭筋の硬さと内転筋の硬さ、鵞足に圧痛があった。鍼で血海(けっかい)・梁(りょうきゅう)に単刺し、鵞足に5分置鍼し、最後に下肢のストレッチを行い、治療終了。
2回目の治療前に膝の痛みが消失したことを共有した。
生活指導
足の母指球を地面につけるように歩くよう伝え、テニスプレー時には踵から入るステップを取り入れるよう指導した。