女性 30代 会社員
症状:眼精疲労
現病歴
最近職場での仕事内容が変わり、パソコンを見ている時間が10時間以上続く。目の奥の痛みが常にあり、酷くなると頭痛も出現。首や肩も凝ることが多い。
リモートワークのため家から出る機会がかなり減少し、運動不足を感じている。
東洋医学では、肝臓は目と深い関わりがあるため確認すると、20代の頃から健康診断で肝臓の数値が全体的に悪いことを共有した。
鑑別診断
左右とも目の充血があり、長時間のパソコン作業が続くことで、目の使いすぎによる目の周囲の緊張や、首や肩の筋緊張がみられる。
胸脇苦満気味のため、肝臓の働きが低下していると考え、機能の弱まった肝臓の状態の改善も行っていく必要があると判断した。
治療法
伏臥位で緊張の強い頚部肩部をマッサージし、天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、完骨(かんこつ)、上大椎(かみだいつい)、膏肓(こうこう)、肝兪(かんゆ)、胆兪(たんゆ)など肩甲骨周りから背部にかけてに刺鍼を。筋緊張緩和と自律神経バランスの調整、内臓の機能改善を図る。
次に仰臥位で目の周りの血流改善のため、晴明(せいめい)、四白(しはく)、太陽(たいよう)、角孫(かくそん)などに刺鍼し、内臓機能の働きを調整するため、腹部の大横(だいおう)、期門(きもん)、太衝(たいよう)に刺鍼した。
治療後は首肩周りがすっきりし、目が開きやすく視界が明るくなったと話してくださった。
こめかみや側頭部のセルフケアを指導。
仕事が忙しく疲れが溜まりやすいため2週間に1度の治療を提案し、現在も定期的に来院されている。