女性 50代 会社員(事務職)
主訴:噛みしめ、たるみ
現病歴
1年前ほど前から噛み締めがひどくなってきた。噛み締めがひどく、歯が欠けてしまったくらいでマウスピースをしていたこともあったが、あまり効果は感じられなかった。
ここ最近とくに仕事が忙しく、それがとてもストレスになっていて、朝も4時ごろに目が覚めてしまい睡眠も浅い。もともと肩こりがひどく頭痛もある。
対処療法としてボトックス注射などを打っても効果は長続きせず、困っていた時ときに友人から鍼を勧めらてハリアップに来院され、オーダーメイド美容鍼を提案した。
鑑別診断
状態を確認すると首の筋肉の硬さが顕著で、この頚部の筋緊張が原因で顎関節の周りや頭部に症状が出ていると考えた。また、マスク生活が続いていることもあり、口を動かさないことも悪化している原因のひとつではないかと考えた。
顎関節周囲は左の方が硬さが顕著で、首や肩も左が硬い。最近は食事にも偏りがあり便秘気味。
最初に自律神経を整え全身の血流循環を良くしてから局所の部分にアプローチしていくことを説明した。
治療法
全身の血流改善のため、首、肩、背中の阿是穴に単刺し、首の詰まり感などもみられたため天柱(てんちゅう)に置鍼を。その後マッサージ整体で上半身をほぐした。
次に、ストレスなどの反応が出やすい膏肓(こうこう)に置鍼。内臓の働きを良くするために志室(ししつ)、大腸兪(だいちょうゆ)にも刺鍼した。
顔へのアプローチは頬車(きょうしゃ)、顴髎(けんりょう)、耳門(じもん)、下関(げかん)に刺鍼し、頬骨下縁に滞りがあり動きが鈍くなっていたため、抵抗運動をかけ整体を。また、顎下ラインの筋肉がかたまっていたため(顎二腹筋や広頚筋など)そこに四指を当て抵抗運動をした。噛み締めは側頭部などにも影響してくるので、頭部に単刺をし終了。
ご自宅でも頬骨を押さえて口を開く抵抗運動のやり方、首への負担を考え、頭を前に出しすぎないよう普段の姿勢に気をつけることを伝えた。