男性 50代 会社員
症状:右脚の痺れを伴った椎間関節性腰痛
現病歴
来院される2週間前に、朝起きたときに右腰から右足首にかけてピリピリと痺れている感じが出始めた。日中は長時間座っていると痺れが起きる。歩いている時や運動をしているときは痺れは何も感じない。テニスが好きで、多いときは週4回プレーしている。
整形外科や病院は受診しておらず、朝方や日中に起こる痺れをどうにかしてほしいと、ハリアップに来院された。
鑑別診断
前屈時に右腰から右足首にかけて痺れ感あり。後屈や側屈、回旋運動では痺れは誘発されなかった。SLRテスト、FNSテスト、Kボンネットテストどれも陰性。
ケンプテストにて陽性が出て、脊柱管狭窄症特有の歩行時の痺れは出たことがないと言っていたため、椎間関節性腰痛による右腰から右足首にかけての痺れが出ていると判断した。
治療法
最初に全身のマッサージを行い、体の硬さの確認。その後、鎮痛物質を促すために天柱(てんちゅう)・風池(ふうち)・完骨(かんこつ)に単刺。次に下肢の殷門(いんもん)・委中(いちゅう)・承山(しょうざん)・飛揚(ひよう)・太渓(たいけい)に単刺。その後、右上側臥位で右腰の腎兪(じんゆ)・腰眼(ようがん)に置鍼した。
最後に仰臥位で下肢のストレッチを行った。
鍼治療が初めてだったこともあり、1回目の治療では、刺激量を調整しやさしい刺激で施術を行った。
2回目は患者に説明した上で、1回目の治療同様の流れで刺激はしっかり入れ、次髎(じりょう)に単刺を行った。
4回目で痛みは消失し、痺れも出なくなった様子だった。
生活指導
多いときは週に4回テニスをする方なので、疲労物質を蓄積させないようこまめな水分補給と、毎日のストレッチを習慣化すること。
体をなるべく冷やさないようにすることを伝えた。