女性 50歳 主婦
症状:不眠
既往歴
突発性難聴、過敏性腸症候群
現病歴
2年ほど前に身内や周りの環境に大きな変化があったことで極度のストレスが溜まり、突発性難聴、過敏性腸症候群をほぼ同時に患い、治療過程で不安要素が大きくなったことで徐々に眠れなくなってきた。
突発性難聴、過敏性腸症候群については落ち着いた(小さい耳鳴りは残存)が、眠りだけが安定せず、ほぼ毎日睡眠薬を服用して、ようやく3~4時間眠れる状況。
不眠に関しては、病院で睡眠薬を処方されている程度で治療は行っておらず、今の状況をなんとかしたいとハリアップに来院された。
鑑別診断
過度なストレスが常に交感神経を優位にしていること、年齢的にホルモンバランスの乱れが招いている不眠症と判断した。
治療法
交感神経優位の状態が強く、お腹の張り、背中の張りが強かったので、なるべく副交感神経優位、ホルモンを生成しやすい環境へ導く目的で仰臥位で腹部をマッサージ。それから天枢(てんすう)、大横(だいおう)、水分(すいぶん)、足三里(あしさんり)、三陰交(さんいんこう)への刺鍼を行い、伏臥位にて頚部の天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、上大椎(かみだいつい)と消化器の背部兪穴への刺鍼を行った。
耳鳴りに対しては翳風(えいふう)、聴宮(ちょうきゅう)への刺鍼で改善を図った。
治療後は全身が温まる感じがあり、眠くなってきたと話され、後日話を伺うと、数年ぶりに深く眠ることができて、気づいたら朝を迎えられており、同時に耳鳴りも消えていた。
現在も週1回のペースで上記治療を行い、継続して質の良い睡眠をとれている。
生活指導
自分の身体の状況を可視化して、何をすると調子が良くなる、悪くなるかのメモをとり、自分の身体を理解して不安要素を少しでも軽減できるよう指導している。