男性 20代 会社員
主訴:下痢症
現病歴
来院する6日前から1日3回はお腹を下している状態が続いている。もともとお腹は下しやすく、多くとも週2回は下している。よく蕁麻疹や風邪はひきやすいが、今回のような毎日続く下痢症状は初めて。
今まで大きな病気にかかったことがないこともあって、病院には行かずに市販の薬を飲み少しずつ改善していた。1ヶ月後から新しい職場に転職するため引き継ぎ業務で忙しく、体調も万全にしたいとハリアップに来院された。
鑑別診断
最近は仕事の会食でお酒をほぼ毎日飲み食べる量も増えて、翌日に胃もたれもしやすくお腹も張り、下痢や便秘になるときもある。仕事のストレスで体全体に力が入りやすく、もともと首肩こりも顕著。
また、睡眠も寝つきが悪く、起床時もすっきりせずに疲れもとりきれないことが多いため、自律神経のバランスが乱れていることが原因の過敏性腸症候群と考えた。
治療法
胃腸の機能改善を目的に治療を開始。まず伏臥位でデスクワークでの時間が長いため凝り感の強い首肩周りや腰にマッサージと鍼で刺激を。次に、仰臥位で胃腸に関係する経穴として足三里(あしさんり)、帯脈(たいみゃく)、天枢(てんすう)、中脘(ちゅうかん)に刺鍼後、腹部のマッサージ。
自律神経系アプローチを目的に頭頚部のマッサージ後、頭部に散鍼を行い、最後は腹部にマッサージを。強かった張りも軽減し、お腹周りの温かさも感じると話してくださった。
胃腸の機能改善を目的に日頃から腹部を温めることを提案し、2週間後に来院されたときは下痢症状もなく、経過良好。夜もぐっすり眠れているそう。前回治療後に提案したビフィズス菌サプリメントも月に1回購入され、便通も良くなり、以前よく出ていた蕁麻疹も発症することはなくなった。