男性 80代
症状:ぎっくり腰
既往歴
2021年 肺炎にて入院。当時から10キロ以上体重減。咳が止まらなくなる後遺症あり。
現病歴
2022年5月。来院される4日前から腰が痛い。朝起きた時から痛かったので、寝姿が悪かったのかと考えていたが整形外科にてレントゲンを撮ってもらい、年齢相応に椎間板が擦り減っているが、骨には異常なしとの診断を受け、痛み止めの湿布をもらった。湿布は皮膚がかぶれたのですぐに剥がした。その後もなかなか痛みがとれないので、以前から知っていた当院を受診された。
鑑別診断
杖を突き、前傾姿勢で当院に来院。病院でのレントゲン診断もあり、痛みも激しそうなので、徒手検査は最低限にした。
前後屈不可。ケンプテスト不可。足など痺れはないが、Kボンネットテストで左足に痛み。咳をすると大腿後面に痛みが走るとのこと。大腿前面も張っている自覚がある。圧痛は左臀部に顕著。
以上のことから、筋筋膜性腰痛で、責任部位は梨状筋と考えた。
治療法
伏臥位にて圧痛のある左臀部を中心にソフトなマッサージをした後、鍼を打った。鍼治療は初めてだったので、細い鍼を使用。
大腿後面、下腿の筋緊張をとってから、頚部から肩にかけてもマッサージと鍼を。脳脊髄液の循環改善のアプローチして鎮痛効果を狙った。側臥位に体位変換後、再び臀部・腰部に鍼とマッサージ。脚部はマッサージのみとし、仰臥位で前傾姿勢で負荷のかかった大腿前面と股関節周りをマッサージし、40分のコースを終了。
施術後、動作の確認をしてもらったところ、動作に伴う痛みは軽減した。
生活指導
痛みは軽減していたが、ベッドからの昇降や、動作の開始時には、手と脚を使ってもらい体幹の筋肉への負担を減らすよう指導した。痛みのピークが来院日の本日だったことから、炎症を疑い3日間の間はお風呂に入ることを控えてもらった。杖なしで前傾姿勢をとらずに歩くことができたが、ペインスケール10→7と痛みが残存しているため、日を置かずに再受診をしていただいた。
連続して3回治療したところ、痛みは軽減しているものの動作の開始時にはまだ痛みが発生するため、間隔を空けて受診され現在も治療を続けている。いただいている。