目の疲れにはお灸
『くるみ灸』。この単語を検索してみてください。
なかなかインパクトのある画像が出てくると思います。
これは一体なんでしょう? 正解は、眼精疲労に対するお灸です。
立派な鍼灸治療の一つであって、決して顔芸ではありません。
くるみ灸は、眼をクリアにすると言われている、菊花がメインの生薬に漬け込んだくるみの殻を使います。
閉じた瞼に乗せたくるみへお灸をすえると、くるみの殻の中で、生薬のエキスを含んだ蒸気が緩やかにめぐります。
見た目は少々滑稽ですが、『温熱』と『生薬の蒸気』、そしてお灸に使われる『もぐさ(ヨモギ)の薬効』。これら三つの要素が、酷使している眼と全身を癒してくれるのです。
目に対するお灸の効果
お灸を目の治療に使用することはよくあります。眼精疲労・視力回復、眼の下のクマ・くすみをとるといった、目の周辺、局所の効果だけではありません。自律神経に働きかけるので、身体全身への波及効果もあります。
眼が疲れる・充血する・しょぼしょぼする。パソコンやスマートフォンを見つめ続ける私たちには、日常的に経験する、ありふれた症状だと思います。でも中にはただの疲れ目などではなく、深刻なドライアイを見逃している『隠れドライアイ』の方も多いのです。
眼がゴロゴロするなどの異物感、涙の分泌量・質の低下、角膜・粘膜に傷(これは、自覚症状がないので、疑わしければ眼科で検査を受けましょう)があれば、ドライアイと言われます。
ドライアイとは
通常、人は1分間に20回ほどまばたきをしています。
しかし本を読んだり、PC作業をすると、三分の一ぐらいにまで急激に回数が減ってしまいます。
また、角膜の表面を覆って潤している涙は、顔を上に向けていると蒸発しやすくなります。
デスクトップのPC画面を真正面や上方で見ると、ノートパソコンのように下方で見る場合より、涙の蒸発量が2~4倍以上にまで上がってしまいます。
よって、パソコンのモニターは見下ろすように調整した方がよいでしょう。
ドライアイは、PC作業時間が長いほどかかりやすくなります。PCを使った仕事が終わったら今度はスマホ片手に休憩、そんな方は特にご注意ください。
自宅でセルフケア
お灸はドライアイにも効果てきめんです。でもご自宅でやるにはちょっと難しいですよね。そこで最近ドラッグストアなどでも見かけるようになった、ホットアイアスクを使いましょう。あれらのアイテムはお灸ほど本格的ではないけれど、効果があります。
眼を温めると、まぶたの縁にある皮脂腺の詰まりが溶け、涙の分泌を促せます。皮脂を溶かすには、38度と体温より若干高い温度が必要です。朝起きた時、目やにが付いているのは睡眠時の体温が日中より低くなっているせいです。
小まめに眼を休ませる休息と、しっかりまばたきを意識すること、そして眼を温めることでドライアイを予防してください。