女性 40代 会社員
症状:右腰の痛み、急性腰痛
現病歴
趣味でゴルフをやっているが、最近は付き合いも多く休日のたびにゴルフをやっており、会食も多く内臓も疲れも感じていた。
2日前に車庫の片付けで重いものを持った翌朝から右側の腰に痛みが出現し、徐々に痛みが強くなり歩行も辛いため受診。来院時、痛みは腰だけではなく臀部にもひろがりがあるが、下肢の痺れはない。
鑑別診断
歩行時、脚を引きずるが、筋力低下はない。前屈で痛みが出現するも、後屈、後側屈は問題なくできる。
しかし、椎間板にも問題があると考え、腰椎椎間板ヘルニアまたは椎間板症を疑い治療を行う。
治療法
腰部の局所の痛みが強く炎症が強いため、頚部から治療を行う。頚部から治療をすることで全身の緊張緩和、脳脊髄液の還流を促すこと、除痛効果がある。そのあと太ももの裏や膝裏、筋緊張が顕著なふくらはぎ、さらに背部と下肢の筋緊張を緩めるためマッサージを行った。腰椎椎間板ヘルニアを視野に入れ、マッサージを行うとき、背中から腰は真上から押さないように注意しながら行った。
次に、臀部、太ももの裏、膝裏に刺鍼をし、運動法を用いて腹筋やインナーマッスルの促通を行い、アルコールの影響で肝臓と腎臓の働きが弱っていたので、機能回復のためのツボに刺鍼した。
治療後、痛みはあるものの歩行状態はだいぶ改善し、歩けるようになったとのこと。
次回の治療は2日後とし、仕事で歩き周るときはコルセットを着用してもらい、できるだけ安静を保つようにしてもらうよう指導。また、ゴルフはしばらくの間お休みをしてもらうことにした。
2日後、経過は良く、痛みの度合いも7割ほど軽減していると話された。ぎっくり腰も筋肉の問題や内臓の関連性、椎間板や関節の問題など様々あるため、しっかりと鑑別を行い治療しています。
今回のケースのように痛みの出現後から早く治療をすることで治りも早くなるため、できるだけ早めの受診をおすすめします。