30代 女性 歯科医師
症状:頭痛・眼精疲労
現病歴
最近仕事が忙しく、首肩こりも感じるが頭痛が特につらく感じる。頭痛がひどくなると後頭部から頭頂部にかけて突っ張ったような痛みを感じる。
仕事柄、目を酷使するため、疲れてくるとぼやける感じがする。
以前はマッサージに行っていたが、最近なかなか行けず、職場の同僚に当院に通っている人がいて、紹介され来院に至った。これからまた忙しくなるため、それまでに頭痛をなんとかしたいと話された。
鑑別診断
頚部前屈時、左側屈時の後頚部の緊張が顕著(左<右)
締め付けられるような頭痛(来院時はやや頭痛あり)、拍動性の痛み、めまい、閃輝暗点なし。仕事終わりに症状が強くなり、最近は頭痛の程度が強くなっている。
温めたりマッサージをしたりすると、肩こり・頭痛ともに楽になることから、頚部緊張過多、姿勢不良による緊張型頭痛と考え治療を行った。
治療法
頚部の筋緊張緩和のため天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、完骨(かんこつ)、大椎(だいつい)、上大椎(かみだいつい)に単刺。
姿勢改善のために臑兪(じゅゆ)、菱形筋、腰部の志室(ししつ)に対して単刺をした。その後、上大椎に5分置鍼をして血流促進を期待した。
体位変換時に頚部の動作確認をしたところ、前屈時の張り感が取れたが、側屈時の緊張は側頚部に変わっていることを共有し、続けて側臥位にて胸鎖乳突筋後縁に単刺、大胸筋のストレッチを行い姿勢改善を目指した。
最後に仰臥位で目の周りと頭部のツボ、太陽(たいよう)、頭維(ずい)、角孫(かくそん)、完(かんこつ)にマッサージを行い、治療を終了。
施術後、頚部前屈側屈時の頚部緊張は緩和され、来院時10→3に軽快。頭痛は治療終了時には消失し、目もしっかりと開くようになり視界もクリアで見えやすくなったと話してくださった。
上大椎にはまだ硬結があるため、この硬結が取れればより頭痛が発症しにくいことを伝えた。
休み明けから忙しくなりそうとのことだったので、日曜日に来院を勧めた。