女性 30代 会社員
症状:耳鳴り
現病歴
もともと慢性的な肩こりとたまに耳鳴りを感じていたが、2週間前から「ピー」という左の耳鳴りを感じることが多くなり、仕事に集中できなくなった。このままではまずいと思い、耳鼻科に受診したが異常はみられず、ストレスからくる問題だろうとの診断を受けた。薬は漢方薬を処方してもらい服用中だが、症状は横ばい状態。
2023年8月の半ばから1ヶ月の海外出張があり、そこへ向けての案件が多く、残業が続き睡眠不足が続いている。また、忙しさからかお腹の調子もすぐれない。
朝起きたときから肩を中心に体がずっと重だるい状態で、出張を控えたなか悪化しないか不安もあり、会社から近いハリアップカレッタ汐留院に来院された。
鑑別診断
指鳴らしをしたが左右差はない。耳閉感やめまいはないとのこと。体に常に力が入っており緊張状態が見られる。
仕事が多忙なこともありストレスフルな生活背景もあり、自律神経の乱れが関係する耳鳴りと判断した。
治療法
ドクター・リウ・メソッドでは「腸」をとても重要視している。
自律神経を整える物質のほとんどは腸内にあり、腸内環境の状態を良くしていくことも、耳鳴りの症状改善につながる重要なことを説明。自律神経を調整するため腹部のマッサージと天枢(てんすう)、中脘(ちゅうかん)に刺鍼した。
それから伏臥位にて頚肩部の筋肉を緩めるために、風池(ふうち)、完骨(かんこつ)、頚部の阿是穴、上大椎(かみだいつい)、肩井(けんせい)、膏肓(こうこう)、大椎(だいつい)に刺鍼し、側臥位にて、翳風(えいふう)と完骨に置鍼5分を。
再度、仰臥位にて自律神経にアプローチするため、腹部のマッサージと頭部のマッサージをして治療を終えた。
治療後は体の軽さを実感され、耳鳴りも10→7に減少したとのこと。8月の出張前に身体を万全な状態にしていくため、次回は一週間空けずに治療を提案。
2回目は前回から4日後での来院。
来院時も7ぐらいを継続している。症状改善のため意識して生活され、お風呂に入ると少し良くなることに気づいたと話してくださった。来院の前日に1日中会議でイヤホンをしていたため、耳鳴りに加えて水中にいるような耳閉感もあるとのこと。
自律神経の調整と耳周りの血流改善のために、マッサージと鍼で調整を行ったところ、治療後、耳閉感は消失し、身体の軽さも前回より減少した。
「ストレスが原因だろうと漢方を飲んでもあまり変わらなかった耳鳴りが、鍼治療でこんなに変化が出ることにびっくりした。」と効果を実感されていた。