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坐骨神経痛:坐骨神経痛/鍼灸治療レポート26

男性 60代 会社役員
症状:左臀部から下肢の痛み

現病歴

ゴルフを月8回程度、3ヶ月くらい続けて行っていたところ、腰に痛みを感じ始めて、徐々に足に痛みも出始めた。ここ最近フォームの改良のためレッスンを受けながら行っていたこともあり、フォローの際に左足で壁を作るようにお尻に力を入れることを意識していたので、それが要因でいつもよりも力んでスイングしていた。現在は歩行時、体重をかけた時に痛みがあり、歩くのも大変なので何とかしたいと話された。
以前 ハリアップ六本木ヒルズ院で肩こりの鍼治療を受けて楽になったことを思い出して、早くゴルフをできるようになりたいと思い鍼治療を選んだ。

鑑別診断

SLR(-)、FNA(-)、MMT(前脛骨筋、EHL、FHL)それぞれ5、ケンプ徴候(-)Kボンネット(+)
脊柱起立筋、多裂筋にそれぞれ筋緊張が強く出ており、特に左側が強くなっている。
環跳(かんちょう)に圧痛があり特に左側の筋緊張を強く触知した。
体幹の前屈で背中から骨盤にかけて張痛、右側屈で左体幹側面に張痛、左回旋で左腰に詰まり感。
筋筋膜性腰痛と梨状筋症候群と考えた。

治療法

筋緊張の緩和、坐骨神経に沿った刺激を目的に、鍼・マッサージにて治療。
伏臥位にて、首肩も含めて全身をマッサージしてから、天柱(てんちゅう)、上大椎(かみだいつい)、肩井(けんせい)、膏肓(こうこう)、志室(ししつ)、大腸兪(だいちょうゆ)、次髎(じりょう)、環跳(かんちょう)、殷門(いんもん)、委中(いちゅう)、承筋(しょうきん)に単刺をし、左環跳と左殷門に置鍼(5分)した。
抜鍼して、再度全身的にマッサージを行い、緩みが出ていることを確認。左上側臥位にて、マッサージ、鍼を志室に単刺、環跳と懸鐘に置鍼を行った。
仰臥位にて、股関節周り・臀部の筋肉を入念にストレッチして、治療終了。
施術後、体幹の動作確認をした際、張痛は10から4程度まで軽減しており、動作時の腰の痛みが軽減されてゴルフの再開に対して希望が見えてきた様子だった。
まだ痛みは残っていたので、次回は間隔を空けずに3日後の治療を提案し、痛みの軽減具合をみながら早期復帰をしていくことを目標とした。

セルフケアとして、身体を良く温めたうえでの臀部ストレッチを指導した。

3日後、ゴルフの打ちっぱなしに行って、前回よりも悪化した状態で来院された。
腰の動きが出るようになって、ゴルフができそうと思いスイングしてみると案外打ち込むことができたので、1時間ほど打ちっぱなしで練習をしたら、その後から歩行時の痛みがぶり返してきたそう。
10から8程度まで痛みが再発していたので、再度前回と同様に坐骨神経へのアプローチをメインに治療した。

さらに3日後、練習後、臀部のストレッチを意識して行うことで、生活の中で足の痛みが気になることがなくなってきたと話された。
臀部の硬さも改善してきており、体幹の動作も改善していた。
腰股関節周りを中心に治療を行い、大腿後面や腸腰筋など腰の動きに関わるポイントもよりアプローチを行うことで、施術後は腰の痛みが1に軽減。ゴルフの復帰ができる状態になった。
腰の状態を見ながら打ちっぱなしの時間を調整し、ラウンドもハーフから始めていくと前向きに話された。
その後、週1回のペースで定期的に来院され、ゴルフも痛みなくラウンドできている。

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