男性 56歳 会社員
症状:お尻から太もも、足にかけての痛み
現病歴
1ヶ月前からお尻から太ももなど、坐骨神経の走行に沿って痛みが生じるようになった。しかも、症状は足の親指まで達し、痛みとしびれを感じ、歩行にも支障をきたすようになった。
整形外科で痛み止めの薬と湿布薬をもらったが、あまり効果がなかったので来院した。
鑑別診断
問診で確認した結果、痛みは鈍痛ではなく、どちらかといえば鋭い痛みであった。また、足の第1指までしびれがあったので、多少歩きづらい面はあったが、腰を側屈させる傾向はなかった。
腸の具合はどうか、最近腸膜炎や腸炎にかかったことはないかと、腹部の疾患との関連も調べたが、そのような事実はなかった。
治療法
マッサージと鍼による治療を併用した結果、1回目の治療で症状はかなり軽減した。以後、1日おきのペースで、天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、翳風(えいふう)などの頭部のツボ、環跳(かんちょう)、殷門(いんもん)、委中(いちゅう)、アキレス腱など坐骨神経の走行に沿ったツボと部位、督脈(身体後面の正中を流れるライン)上や仙骨への鍼による治療を続けたところ、3ヶ月で完全に症状は消え、完治した。
腰椎椎間板ヘルニアによる、坐骨神経痛は完治するまでにかなり時間がかかるが、筋筋膜性の坐骨神経痛であったため、比較的短い期間で完治した。