女性 30代 会社員
症状:急性腰痛(ぎっくり腰)
現病歴
今朝自宅でトレーニング中、フロントスクワットをしている途中、中腰姿勢から元に戻ろうとした際に左臀部に痛みを感じた。
その後痛みで全く動かせず、一度横向きで寝て安静にした。以前にも今回と同じように腰から臀部を痛めたことがある。腰椎椎間板ヘルニアの既往歴もなく、前日にお酒も飲んでいない。
最近デスクワークで座り仕事が続いており、腰周りが硬くなっている状態は自覚されていた。なんとか早く痛みをとりたいと、普段から通っているハリアップへ来院された。
鑑別診断
左の梨状筋部に圧痛と熱感あり。動き始めや体位変換時、起き上がる時に痛む。歩くのも辛く、杖をつかないと厳しい状態。
横になって寝ているときが一番楽である。SLRテスト、ボンネットテスト、パトリックテスト、ニュートンテストで梨状筋に違和感があるため、関節由来ではないと考えた。
デスクワークでの座り仕事が続き、腰回りの緊張が強くなった状態でトレーニングをしたことによる筋筋膜性、梨状筋部に痛みが出てしまったと考えられる。
治療法
炎症のある左臀部に強い刺激をあたえないよう、まずは周りの筋肉を緩め患部の負担を減らしていくことを患者と共有。
まず側臥位で、鎮痛効果を目的に天柱(てんちゅう)から刺鍼を。次に上大椎(かみだいつい)、膏肓(こうこう)、志室(ししつ)に刺激感が分かるように刺鍼し、梨状筋部の圧痛部位に浅く刺激した。
足の緊張をとるため、風市(ふうし)、承山(しょうざん)、飛揚(ひよう)、胆嚢点(たんのうてん)に刺鍼。
最後に仰臥位で腹部のマッサージと鳩尾(きゅうび)、中脘(ちゅうかん)、大横(だいおう)など硬結が顕著なツボに刺鍼して終了。
治療後はまだ痛みはあるが少し動きやすくなった。
痛みが発症してから3日間は炎症が続くため、アイシングや冷湿布などで患部を冷やすこと、楽な姿勢で安静にしながら無理な動きをしないこと、入浴も軽いシャワーですますように伝え、次の日の来院を促した。