頭痛は症状の出方によって対処法が真逆になることをご存知ですか?
なぜかというと、頭痛は痛みの種類によって原因が全く違うから。もしやり方を間違えたら、より悪化させることになりかねません。
最近は頭痛を取り扱うテレビ番組が増えて、
「緊張型頭痛」「片頭痛」という言葉が浸透してきましたね。
「緊張型頭痛」とは、肩こり・目の疲れなどからくる頭痛。
文字通り筋肉が血行不良で緊張して、頭を締め付けるため起こります。頭全体が痛むことが多く、ズルズルと長引くのが特徴です。人によっては何日も何日も続き、中には月の半分以上を緊張型頭痛に悩まされて過ごす方もいます。肩こりなどが直接の原因であるため、頭痛薬が効きにくいという面もあります。
対して「片頭痛」は、ストレスなどによる自律神経の乱れがもとで、頭に血が上りすぎ、血管が痛みの神経を圧迫するため起こるものです。血圧や血流量の変化が痛みに直結するため、運動をしているときや精神的に緊張しているときに痛みが強くなります。
ここだけ見ても、
「血液が足りない」もしくは「多すぎる」という
原因の違いがありますね。
緊張型頭痛は首などを温めて血液を巡らせることで、
片頭痛は反対に頭を冷やして血流を鎮めることで抑制できます。
これを間違えてしまうと大変。
冷えは筋肉の緊張を強め、熱は血の過供給をさらに増幅させます。
そのためどちらの頭痛であるか見極めるのはとても大切なことなのですが、
頭痛の本などでは痛みの位置や性質などで説明されることがほとんどです。
しかし痛みの感覚は人それぞれなので説明通りの痛み方でないこともあり、いざ頭痛になってみると「これはどっち?」ということが多いもの。
そこで簡単な判別法があります。
イスから立ち上がったり、お辞儀をしたりするなど、
「頭の高さが移動する動き」をしてみることです。
頭は人間にとって最も大事な器官。
お辞儀程度で頭に流れる血液量が変わってしまってはいけません。
そこで、体は血流が変化しないように自律神経を働かせて調節します。
この際、もし自律神経の乱れが原因となる片頭痛であれば、痛みを発している神経が血流量の変化に反応し、頭痛が一時的に強くなります。
緊張型頭痛なら痛みが変化することはありません。
頭痛になったら、立ち上がったりお辞儀したりしてみて、
痛み方に変化がなければ温め、悪化したら冷やす。
これだけでも充分に頭痛を抑える効果があります。
しかし慢性的に頭痛が続いていたり、日によって痛み方が違うという場合には全身の改善が必要となるので、私たち鍼灸師にご相談ください。