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「異常なし」の腰痛とは

2019/02/28

85%の方には「腰痛症」という診断名

ぎっくり腰ではないのだけれど、なんだか腰が痛い。病院に行ってみたけれど原因がわからない……
ご安心ください。 腰痛とは、えてしてそういうものです。

腰痛で病院へ行くと、85%の方には「腰痛症」という診断名がつきます。
「腰痛症」は特定の病気を指す言葉ではなく、「いろいろ検査をしてみたけど、所見が出ないので原因がわからない腰痛」を指す記号のようなもの。腰痛を起こしうる危ない病気や、明らかな骨の変形が出てこなかったことの証明ではあるのですが、痛みがあるのに異常ナシとは釈然としませんよね。

ここから先は鍼灸師の分野となります。
腰痛の陰に重い病気はないと判明したらどうぞお近くの鍼灸院へ。

治療が始まり、腰痛がつらいことを施術者に伝えると、施術者は少なくとも次の3点を必ずあなたに尋ねます。
Q:「いつから痛いですか?」
Q:「腰のどのあたりが痛いですか?」
Q:「どんな動きをすると痛みが増しますか?」

これらの質問は、鍼治療をする前にその腰痛が何によって引き起こされているか見当をつけるための重要な手がかりです。
腰痛症はその原因によって大きく4つに分類されます。
・筋肉のコリや小さな炎症が原因である「筋・筋膜性腰痛
・背中の骨と骨の結合部が微妙なズレを起こし、少しだけ神経に障っているため起こる「椎間関節性腰痛」 
・背中の骨どうしの間にある椎間板の炎症による「椎間板性腰痛」 
・骨盤周りの筋が弱い・固いなどの理由で骨盤と仙骨*1がわずかにずれることによる「仙腸関節性腰痛
  *1 背骨の最も下にあり、骨盤と接触する骨

ここだけ読むと、原因がはっきりしているように思うかもしれません。
しかしこれらの腰痛を起こしている軽い炎症や、骨の小さすぎるズレは、血液検査や画像診断では見つけ出せないほど微妙なものなのです。
こうした腰痛は痛みの場所や感覚、体を前屈させた時と後ろに反ったときではどちらが痛いか……などの特徴から、ある程度区別することができます。

以下に簡単な見分け方を添えますのでご参考にどうぞ。
 ・筋・筋膜性腰痛……
痛みの部位が指差して示せるほどはっきりしており、前屈すると痛みが増す。
触ると腰が硬くなっていることが多い。

 ・椎間関節性腰痛……
体を後ろへ反らすと痛み、患部は腰の左右どちらかに片寄る。ひどいと太腿のほうまで痛むことがある。
 ・椎間板性腰痛……
筋・筋膜性と同様前屈みで痛むが、痛みの場所はぼんやりしているため「腰全体が痛い」と感じることが多い。
 
 ・仙腸関節性腰痛……
骨盤と仙骨が触れている部分(腰とお尻の中間くらい)の左右どちらかがはっきり痛む。痛いほうを下にして横になると痛みが増すことが多い。

実際にはこれらの原因が組み合わさっていたり、つられて腰以外の部分が痛むこともあるので断定はできませんが、ある程度でも原因がつかめれば治そうという気持ちも湧きますよね。
病院で「異常ありません」と言われてお悩みの方の助けになればと思います。

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