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頭痛から始まった帯状疱疹

2021/06/25

ズキっとする頭の痛みから始まった帯状疱疹。

頭痛と思っていたが次第に額、眉の上から鼻筋に赤い発疹。
病院で三叉神経痛第1枝に帯状疱疹(ヘルペス)と診断を受け、病院にも通院しているが、早く治したいと発症後2週間後に来院されました。

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【来院患者】50代・男性
【症状】帯状疱疹の神経痛、痒み
【発症時期】2021年4月下旬
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帯状疱疹は水痘帯状疱疹ウイルスによる感染症です。
初めてこのウイルスに感染すると「水ぼうそう」と呼ばれる水痘を発症します。
また、このウイルスは水痘が治った後にも脊髄神経や三叉神経節などに留まり、ストレスや疲れ、免疫力が低下したときなどに再び活性化して帯状疱疹を発症します。
初期症状はぴりぴりとした皮膚の痛みであることが多く、時間が経つにつれて徐々に赤みや水疱形成を伴うようになります。
病気による変化が起こりやすい部位は、肋間神経に一致した胸部であることが多いのですが、それ以外にも後頚部、大腿部と顔面を含めて全身どこにでも現れます。

鍼灸治療が初めてとのことだったので、鍼の刺激量は確認しながら行いました。
鍼は発疹には直接行わず、その周り、三叉神経第1枝の領域に。灸も同じように発疹の場所は避けて施灸を。
神経毒素を囲い込み、拡散を防ぐとともに体の抵抗力を向上させるため、帯状疱疹の鍼灸治療ではお灸を併用し早期改善を目指します。
発症部位が顔面部ということで、火傷が残らないように加減をして行ったあと、首や肩も帯状疱疹の顔の痛みで硬結が顕著なため、筋肉の緊張緩和と血流促進を目的に鍼とマッサージを行いました。

2回目・3回目と治療を続けているうちに発疹の赤みは治まってきましたが、まだ頭痛は残している状態に。
5回目の治療で発疹は瘡蓋、瘢痕に変化し頭痛も軽減しました。

現在も鍼灸治療は継続中ですが、経過は良好。
初めはズキっとする頭の痛みがあり、表面の痛みよりも内側から感じるような痛みが強かったようで、その痛みがなくなったときにすごく喜ばれていました。

人によってはこの発疹や疼痛が治らずに帯状疱疹後神経痛になってしまうと、長い間、その痛みと付き合わなければなりません。
後遺症として帯状疱疹後神経痛とならないように、続けて鍼灸治療を受けられたのが早期改善につながり良かったのだと思います。
今後も瘢痕が残らないように続けて鍼灸治療を継続。

今回の症例は三叉神経第1枝領域の帯状疱疹でしたが、眼部にまでは症状が現れていませんでした。
特に眼部にまで及ぶ場合は、必ず眼科に受診し、医師の指示のもとに鍼灸治療を受けるようにしましょう。

顔面神経麻痺(ベル麻痺)同様、病院での投薬後、早い段階で鍼灸治療を開始することで早期改善が期待できます。

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