患者さんが妊活をはじめられたのは2020年8月から。
来院されるまでの間、数ヶ月間と妊娠が確認できなかったため、婦人科の検査を受け不妊症と診断されたのが2021年5月。
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【来院患者】30代・女性/会社員
【既往歴】子宮頚管ポリープ(経過観察中)・子宮上皮異形成
【症状】不妊症
【診断時期】2021年5月
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病院の勧めで体外受精を決心し、専門の病院で不妊治療を初めて受けたのが2021年7月。
その当時は体外受精もうまくいかず、2ヶ月後の9月にもう一度体外受精を受けたが、結果は同じだったそう。
体外受精にかかる高額な費用、時間も努力もたくさんかけたのに、続けて体外受精で着床に至らず精神的に落ち込んでいた9月下旬、「子供が欲しい」という一念で他に治療方法はないかとネット検索で探したところ、鍼治療で妊娠に成功した体験談を見つけ、もしかしたら可能性はあるかもと思い、以前に肩こりの治療で通っていたハリアップカレッタ汐留院に来院されました。
触診で手足の状態を確認したところ、末端部が冷えていて背中と下腹部の冷えは、他の部位より筋肉の硬さも冷えも顕著でした。
もともと慢性的な首肩こりを自覚されており、仕事で疲労が溜まったときは呼吸が浅くなるほど、深い呼吸をしようとしてもうまくできずに苦しいことがある状態。
体の背面は内臓と関係するツボが多数ありますが、内臓不調の反射で背中のツボ周りが硬く、さらには上半身、肝心な骨盤周りの血流阻害にも繋がりやすくなっていると判断。内臓不調からくる背面の筋肉の硬さや精神的ストレスもある中、胸郭がひろがらず浅い呼吸が続いたことで自律神経バランスの乱れが続いている状態で、既往歴として子宮に関連する病気があったので自然妊娠が難しく、現在の身体の調子と加えてさらに体外受精の成功率を下げていることを説明。
施術方針として、冷えや筋肉の硬さにも直結する自律神経バランスを整え、同時に内臓機能の働きを高めていくこと
鍼施術による毛細血管の血流促進、骨盤内・子宮への血流促進、体外受精の成功率を上げることを目標に、鍼治療を進めていくことを患者さんと共有し、治療が始まりました。
お腹はお臍から下腹部がとくに冷たく、全体的に張っていたので腹部のツボに刺鍼しお腹のマッサージを。
お腹のアプローチは自律神経の本幹ともいえる場所で、ドクター・リウ・メソッドで最も大事にしている場所。押す、つまむ、揉捏など色んなパターンで刺激をしていきます。
お腹の冷えが改善したきた時点で骨盤内、とくに子宮の働きを高める目的で、足周りのツボに刺鍼し、次に泌尿器系、生殖器系、消化器系、循環器系疾患の治療に用いる経絡である任脈(にんみゃく)上のツボを選穴し、置鍼を組合わせながら下腹部を赤外線で5分間温めていきます。
それから自律神経バランスの調整、脳脊髄液の流れを良くするための鍼・マッサージでのアプローチの後、生理痛の緩和、子宮への血流促進のため骨盤周りのツボに鍼刺激を。
生理のときはPMS(月経前症候群)の症状が出たり、お腹と腰がキリキリ痛くなるくらいに悩んでいたそうですが、施術後は精神的不安やイライラ、お腹の張り感がなくなり、翌日には予定通り生理があったが生理痛はほとんどなかったそう。
それからは自宅でのセルフケアを含め、週に1回のペースで、疲労がたまったときは週に2回のペースで鍼治療を続け、次回体外受精の予定日が11月上旬と共有した時点から約1ヶ月間、さらに身体の調整を。
とくに体外受精の前日、1日後はより治療間隔を詰めて集中的に体の調整を行うことで、できるだけ子宮への血流促進を良くし体外受精の成功率を上げるよう治療を組み立てていきました。
婦人科疾患にPMS(月経前症候群)、生理痛と悩みを抱えながら来院されましたが、体外受精の成功率を上げていくことを目的として治療計画を立て、計画通りに鍼治療を継続された患者さん。
体外受精の成功を患者さんと同じ気持ちで待っていたところ、