腰痛といえば一般的には「ぎっくり腰」
1つの要因によって腰痛が生じていることはまれ
腰痛といえば一般的には「ぎっくり腰」などをまず連想される方も多いと思います。
そして使いすぎによって筋肉や骨が傷んで起こるものだと単純に思われがちです。
しかし実際には、はっきりと原因を確定できるようなケースは少なく、
多くの場合は複数の要因が関係して起こっており、1つの要因によって腰痛が生じていることはまれです。
腰痛の主な原因は次の4つ
腰痛の主な原因は次の4つに大きく分けられます。
1. 骨や筋肉の障害による痛み (器質的な痛み)
2. 神経の障害による痛み (神経痛)
3. 精神的ストレスによる痛み (非器質的な痛み)
4. 内臓の病気による痛み
骨や筋肉の障害によって起こる、腰椎椎間板椎間板ヘルニア
今回は数ある腰痛の中でも、骨や筋肉の障害によって起こる、
椎間板ヘルニアのお話をしていきたいと思います。
ヘルニアは、日本国内に約100万人と患者数が多く、現在も増加傾向にあり、20~30歳代の男性に発症しやすいとされています。
私たちの背骨には、骨と骨の間でクッションの働きをしている椎間板というものがありますが、背中の筋力の低下や、腰に負担がかかる姿勢や作業によって椎間板は上下の骨に圧迫されます。
それにより椎間板の一部が飛び出して神経を圧迫し、痛みやしびれを引き起こします。
これが椎間板ヘルニアです。
椎間板は20歳を過ぎると加齢とともに弱くなり、水分不足などによって外へ飛び出しやすくなります。
椎間板ヘルニアにおける代表的な症状
椎間板ヘルニアにおける代表的な症状として、下記のような症状がみられます。
• 坐骨神経痛
• 腰痛
• 片側の臀部から足にかけての痛み
• 筋力の低下
• 冷感
また自覚症状としては、以下のような症状がみられます。
• 立っているのがつらい
• 立ち上がるのがつらい
• 椅子に腰掛けているのがつらい
• 前かがみになると痛みが強くなる。
• 放散痛(しびれ)が出る
上記の症状以外にも、そけい部に痛みがある場合は高確率でヘルニアがあります。
腰に負担のかかりやすいお仕事をされている方は、日頃から椎間板が圧迫されており、椎間板ヘルニアにかかりやすいタイプといえます。
他にも肥満や遺伝的要素などにより発症する場合があります。
私自身も腰の椎間板ヘルニアの経験者
以前、ヘルニアでお悩みの患者様を治療しました。
腰の痛みと右足の痺れがあり、歩行困難で立つのもツライ状態とのことでした。
治療にあたって、まず腰と首のはり治療を施し、早期回復のためのセルフケアとして腰の筋肉を強化する方法を日常に取り入れるよう、丁寧にアドバイスを行いました。
40分の鍼治療後、ご本人は「初めて鍼をしていただいたが、腰の痛みがほとんどなくなった。こんなに楽になるなんて信じられない」とおっしゃっていました。
私自身も腰椎椎間板ヘルニアの経験者です。
あの痛みの辛さを思うと、患者さんの辛さは手に取るようにわかりますし、
一日もはやく楽にしてあげたいと、強く、強く思う毎日です。