冬季性うつという言葉を聞いたことがありますか?
「うつにも季節ってあるの?」「じゃあ、五月病もうつ?」
そんな風に思ってしまいますよね。
五月病とはその名の通り、五月のゴールデンウィーク明けに出る症状の事です。
春を迎え、新しい環境で頑張っていたものの、気分が落ち込むようになり、疲れて仕事や勉強がはかどらない等、一過性の不調をいい、よく眠ったり、好きな事をしたり、出かけて気分転換をしたりする事で回復できるのが五月病です。
よく眠っても心が晴れないような状態が1ヶ月以上続けば、うつ病の疑いがあります。
何を食べても美味しくない、自分に価値がないと思い込む、以前楽しいと感じていた事が、楽しくない・・・何をやっても無気力になってしまう。
そんな状態のときは、病んでいる自分自身よりも、友人やご家族が気付いてあげられるかもしれません。表情が暗くなったり、涙もろくなったり・・・誰にでも起こりうることだと思います。
じゃあ、冬季性のうつって何?
冬が近づくにつれ日照時間が短くなり、「幸せホルモン」と呼ばれる脳内の神経伝達物質「セロトニン」が減少することが一因となっています。
日中に太陽を浴びることで、セロトニンがつくられます。
セロトニンは、睡眠ホルモン(メラトニン)の原料でもあるので、光が減少する冬に近づくとメラトニンも十分に作れなくなり、睡眠障害を起こします。
このことから、“ウィンターブルー”と呼ばれる季節性うつ病ですが、どうすれば、緩和できるのでしょうか。
1 朝日を浴びる
自然の光に多く当たることができない環境なら、照明を工夫して、体内時計を調節し、生体リズムを整えましょう。
2 身体を動かす
運動することで、ドーパミン(セロトニンと同様、幸福感を生み出すホルモン)が分泌。落ち込んだ時や、イライラした時に症状を和らげてくれます。
3 効率の良いタンパク質摂取
“うつ”状態である時に脳内で欠乏しているのは、神経伝達物質セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなので、脳内の神経伝達回路回復のため、魚介類や鶏肉、納豆を取りましょう。
また、お菓子に使われる白砂糖は血糖値を急に上昇させるので、血糖値を下げるホルモン、インスリンが分泌されます。かえって低血糖状態になり、結果的に脳へ十分な糖分が供給されなくなります。
甘いものは控えめに。
周りの人は、叱咤激励ではなく、ポジティブな言葉をかけ、優しく気長に見守ることで、少しずつ、本来の自分を取り戻す手伝いができるのではないでしょうか。
ゆっくりと時間をかけて待ちましょう。春はすぐそこです♪