女性 43歳 主婦
症状:顔面の麻痺(ベル麻痺)、顔面の冷却感
現病歴
朝起きると、顔面が麻痺していた。そして、麻痺に冷却感が伴っていた。
発症して間もなく、その日のうちに来院した。
鑑別診断
顔面神経麻痺は片側性で、顔の右側に麻痺があり、右目を閉じることができず、まさに仮面のような顔になっていた。また、麻痺はあったが、痙攣はまったくなかったので、中枢系の顔面神経麻痺だとは考えられなかった。
問診の結果、顔面の麻痺が発症する以前に、耳鳴り、聴覚の異常を感じることはなかったというので、耳の疾患による顔面神経麻痺の可能性も考えられなかった。
治療法
最初の1週間は毎日、主に顔面神経麻痺の神経根周囲、神経に沿った顔面部に鍼とお灸、マッサージも併用して行う。以後、1日おきに同様の治療を施した結果、3回目の治療で症状はかなり良くなる。麻痺が少し緩んで、口や目の周りに感覚が戻ってきた。そして1ヶ月後に完治した。
顔面神経麻痺が発症してすぐの急性期に来院して、早めに適切な処置が行えたため、完治するまでの時間が短かった。