女性　30代　美容師
症状：右臀部の痛み

現病歴

美容師の仕事中に髪を切る際、右足に体重が乗ったときに右のお尻が急激に痛みだした。
痛みが発症してから我慢して仕事を続けていたが仕事にも支障が出てきたため、困っていたところネットで職場の近くの鍼灸院を探し、ドクター・リウ鍼灸院 渋谷駅前院を見つけ、何とか仕事に支障を出ないよう早く改善したいという思いで来院された。
痛みだしてから3日経つが日に日に痛みが増し、歩く際にも痛みを伴っていた。
美容師の仕事をしつつ、仕事終わりに週4～5日でトレーニングを行っている。
痛みが出る前日にお尻メインのトレーニングをしていたが、トレーナーからはオーバーワークを心配されていたそう。
痛みが出てからはトレーニングを休んでいたが、右のお尻の痛みをかばいながら仕事をしていたせいか、右肩に強いこり感を感じるようになっていた。

鑑別診断

触診したところ仙骨から尾骨の付近の筋肉から炎症がみられ、歩くだけで痛みが生じている。右股関節の屈曲、内転の動作で痛みが生じる。仙腸関節周りの痛みはみられなかった。
筋肉の炎症が強く見られることからオーバーワークにより臀部の筋肉を傷めてしまったと判断し、筋肉の緊張緩和と患部の負担を減らすことを目的とした治療を行う。
　　　　　

治療法

1回目の治療では、患部は炎症しているため触らず腰部、臀部、下肢の筋緊張緩和を目的に、伏臥位にて腰下肢に鍼施術を行った。
炎症がみられることから急性症状と判断し、患部の負担を軽減させるために体位変換時に坐位にて腰部の抵抗運動を行い、側臥位に。
側臥位で臀部、大腿四頭筋の筋緊張緩和目的で鍼施術を行い、再び坐位にて腰部の抵抗運動を行った。
動作時痛を確認したところ右股関節の屈曲、内転時痛が消失し、歩行時痛も軽減していた。
炎症症状がみられたため患部に冷湿布を貼り、3日間の入浴と禁酒指導。

1回目の鍼治療から3日以内での来院を伝え、2回目の来院時には痛みが消失しており、違和感に変わっていた。
炎症が見られなかったため患部の筋緊張緩和を目的に腰下肢に鍼施術を行い、臀部、下肢の血流改善を目的に臀部と下肢のストレッチを行った。
治療後、違和感もなくなり仕事での支障もなくなった。

美容師のように一日中立ち仕事のため下半身の疲労の蓄積とトレーニング後のケア不足により、筋肉に硬結が出やすくなっていたところに、過度なトレーニングで筋繊維が損傷し痛みが誘発された。
筋緊張の緩和と全身の血流を改善することにより、早期に痛みを取りのぞくことができた。
痛みを感じると、関係している筋肉や関節を動かさなくなることで筋緊張の助長や痛み物質の停滞が発生し、痛みを感じる期間が長くなってしまいます。
痛みを感じた段階で治療を開始することが、早期改善に繋がります。