女性 30代 会社員(デスクワーク)
症状:慢性的な便秘、腹部の膨満感
現病歴
高校生くらいから慢性的な便秘で悩んでいる。便通は1週間に一度程度でかなり少ないし、ひどいときには2週間便通がない日もある。
慢性の腹部膨満感と不快感を訴えていて色々と薬を試してみたが、最初は効果を感じてもそのうち効かなくなっていたそう。
色々と治療法を探しているうちに肩こりで来院された当院、ハリアップカレッタ汐留院で便秘症の治療を提案されたことを思い出し、早く解消したいと再来院された。
鑑別診断
腹部は膨満していて全体的に張っている。
そのため、ご飯を食べてもすぐお腹が張るし、そもそも食べる量が少ないのですぐにお腹が空くので間食が多いそう。
仕事柄忙しいので食事は簡単なサンドイッチやパンが主食で、野菜を意識して食べることは少なく、偏食も多く食事の時間も不規則。
お酒が好きで週に2回以上ワインを1本以上飲んでいる。ワインを飲んでいるときにはお肉や乾きものをよくおつまみにしている。
運動を全くしないので普段から体を動かすことが少なく、月経は不順でかつ月経痛がひどい。月経の際は必ず便通が極端に少なくなる。
手足はもちろん、お腹や背中全身が冷たいので体全体の血流の不順を見る。
治療法
まず、胃腸を動かすために足三里(あしさんり)に刺鍼。
便秘の治療として腹部の大横(だいおう)、天枢(てんそう)、期門(きもん)を刺鍼、お腹のマッサージを行った。
その他、背中のツボに刺鍼して自律神経バランスを整えた。
便秘は生活習慣を変えることが大事で、生活指導として同じ時間に起床し朝は必ず食事を摂ること。そして忙しくてもトイレに行く習慣をつけることを指導。
食事は今から大きく改善させるというより、毎食軽いスティック野菜やサラダを食べること。おにぎりやにわかめの入った味噌汁を摂るなど、小さなことから食事のバランスを摂るよう指導した。
さらに乳酸菌・ビフィズス菌を積極的に摂ることをお勧めし、こちらも毎日の習慣にしていくよう指導した。
その他、冷えるような食事を止めることと、ストレッチを毎日行ってもらうことにした。
治療開始1週間経過、2回目の治療の次の日から2日連続に朝排便することができた。
それからは、1ヶ月後は本格的な食事指導と1週間に一度程度の鍼治療で腹部の張りがだいぶ軽減され、平均2日に一度の排便ができるようになっている。
腹部の張りが減ったおかげでお腹周りのサイズが減り、むくみが改善されて服を着るときが楽になり、サイズが合わなくなった服が入るようになったそう。
便秘のほか体の変化としては肩こりや頭痛が軽減され、月経周期の安定と月経痛(生理痛)の軽減があった。