女性 50代 会社員
症状:左脇・左胸の痛み
現病歴
洋服を着てこすれる時に胸部の左側に締め付けられるような痛みを感じ、3日たっても痛みが消えないため不安になりネットで鍼灸院を調べて来院された。
鑑別診断
触診の結果、痛みの場所が第5肋骨と第9肋骨の間であった。
またこの部位に触ると痛みが強くなり、圧すると痛みが軽減した。
痛みが両側でなく片方の左側に限局し、一過性の胸痛でないこと、また呼吸に伴って発痛することからも肋間神経痛と思われた。
治療法
ポイントとして肋間神経は肋骨の下を通り、まずは痛みが出ている部位や神経の根本を刺激していく。胸椎棘突起から外下方、肋間神経に繋がる神経根を狙って刺鍼。
痛みの出ている左側を上にして横向きで治療。
胸椎5番から胸椎9番の脊椎際に斜めに鍼施術。続いて痛みの出ている肋骨の下を軽く刺鍼。
単刺で瘂門穴を刺激し、脳内ホルモンの分泌を促して肋間神経痛の痛みの緩和を促進。続いて扶突穴に迷走神経を刺激して内臓の機能を向上させ、身体の必要な物質を分泌して体全体の機能の修復を図る。
肩部・背部のツボを刺激して自律神経とホルモンの調整を図り、解毒作用の目的で下腿部へも施術。
帯状疱疹(ヘルペス)の後遺症によって肋間神経痛になった場合は長引くケースがあるが、今回の場合は帯状疱疹(ヘルペス)が発症してなかったので、週に2回のペースで3回目の鍼治療から痛みが軽減され、治療開始から1ヶ月半で完治した。
肋間神経痛は疲労、風邪や筋肉の炎症、ホルモンバランスが悪くなって発症することもあります。
またビタミン不足のため末梢神経の流れが悪くなり肋間神経痛の症状を起こす場合もあるため、特にビタミンB12を含んだサプリメントの摂取や野菜や果物の栄養バランスを良くすること、寝不足にならないようにアドバイスした。