男性 40代 会社員
症状:左首の痛み、左中指の痺れ
発症:2018年7月発症 頚椎症性神経根症
既往歴
15年ほど前にむち打ち(交通事故が起因)
その後、首の痛みは慢性化していたが手のしびれは自覚したことはなかった。
現病歴
1ヶ月前、海外出張から帰国する際の飛行機で寝て起きた際に首の痛みと手(中指)のシビレが出現した。2, 3日して改善されず逆に症状が強まったため、近くの整形外科に受診し、X線・MRIにより頚椎症性神経根症(C7)の診断を受けた。
整形外科では頚椎の牽引や周辺の筋肉の緊張を改善することに主眼をおいた治療。また、痛み止めやビタミン剤を処方され、今まで継続して服薬している。
当初よりも症状は少し改善されているが、依然として左首の痛み、左中指のシビレが気になることで仕事の効率も下がっているため、症状が少しでも早く良くしたいと家族に紹介されたハリアップ六本木ヒルズ院に来院した。
鑑別診断
頚の自動運動:後屈(十)、左側屈(十)・・・頚の痛み、左中指のシビレが増悪。その他の動きは全て(―)
ジャクソンテスト(十)、スパーリングラスト(十)、肩自動運動(―)、チネル徴候(一)、アドソンテスト(一)、アレンテスト(一)、モーリーテスト(一)
ただし、左モーリーテストの際、局所の圧痛は在り。握力(一)、知覚(十)・・・左中指手掌側が鈍麻
徒手検査の結果、冷房で冷えると症状が悪化して、温めたりマッサージをすると少し改善するということをふまえ、頚椎(特に7番周辺)の筋肉の緊張が強くなることにより、第7頚椎神経根への圧迫が生じ症状が発生していると思われる。
治療法
罹患筋周辺の血流改善と筋緊張緩和により第7頚椎神経根への刺激を減少させることにより症状改善を目指す。
また、脳脊髄液を意識したアプローチにより痛覚抑制系の賦活、腹部の刺激により自律神経を整えるアプローチをかけることで、より鎮痛効果を高める。
1回目の鍼治療
鍼の経験が少ないため、マッサージはしっかり圧を入れるも鍼は極軽目で施術することを意識した。
施術中、都度確認するも「思っていたよりも痛くない」とのこと。施術の始めは緊張していたが時間が経つにつれてリラックスしており、術後は全体的に痛みは軽減した。
次回、緊張状態が術前の状態に戻る前に施術するため、3日後の来院を勧めた。
2回目の治療は3日後
前回から中3日ということもあり良い状態をキープしていた。前回の施術後に怠さなどは出ず、いつもは頭全体が重痛くなることが多いが今回は頭痛も自覚しなかった。
前回後の経過をふまえ、今回の施術は前回よりも少し刺激量を上げ、第7頚椎神経根周辺にもアプローチをかける。
第頚椎神経根へのアプローチをかけた際、「左腕にシビレが走った」とのこと。その後、シビレは軽減し指先だけに限局され、確実に症状が改善していることを自覚した。
次回も今回同様あまり期間を空け過ぎずに治療していくことを共有し、1週間以内の来院を勧めた。
4回目の治療は1週間後
経過は良好。施術は前回同様。
第7頚椎神経根へのアプローチをこれまで以上(筋膜を破る)にしっかりと刺激した。アプローチをかけた際、気になる部分(左中指)にシビレが走ったとのこと。
その後、左中指のシビレは全く無くなった。術後シビレを確認するも、消失は維持しているため、次回は1週間後の来院を勧めた。
1週間後の来院時、シビレの再燃はなく良い状態を維持していたとのことなので、シビレを取るアプローチは終了。
今後は状態を悪化させないためにも週に1回のペースで来院を勧め経過を観察していく。