女性 30代 会社員
症状:自然妊娠を希望、不妊
既往歴
子宮内膜症
現病歴
子宮内膜症の手術後、月経時に下腹部の痛みと腹部の横側に張りを感じることが増え、妊娠希望でもあることから婦人科クリニックで妊娠相談(妊活)を受けていた。
ご本人が鍼灸でも妊活の治療があることを調べ、クリニックの担当医に確認したところ鍼灸治療とクリニックの併用をしても問題ないとの同意を得て、ハリアップ丸ビル院に来院。
デスクワークで最近忙しく、仕事でのストレスも感じている。冷え性も自覚されている。
月経痛を伴うものの、月経周期は安定している。
鑑別診断
ストレスによる不調が大きく影響している状態ではないが、子宮内膜症の手術をされていることも踏まえ、ホルモンバランスの調整と冷えによる体循環の改善は必要と考えた。
治療法
ストレスによる頚部から肩部の筋緊張緩和、デスクワークによる骨盤周りの循環改善のための鍼治療と冷え性の改善を行い、妊娠しやすい状態を目指して治療を行う。
ストレス除去とリラックス状態にもっていくために頚部・肩部、また頭部に鍼とマッサージを行い、筋緊張を和らげる。頚部のツボを刺激しホルモンバランスの調整、頭部への刺激で中枢神経にアプローチをかけた。
冷え性の改善目的には腹部の鍼・マッサージに加え、下肢の鍼・マッサージ整体・ストレッチも取り入れた施術を。
使う経穴は自律神経やホルモンバランスの調整に効果のある経穴、血流改善や冷え性に効果が期待できる経穴に刺鍼。翳風(えいふう)、風池(ふうち)、百会や側頭部、三陰交(さんいんこう)、関元(かんげん)、中極(ちゅうきょく)、腰陽関(こしようかん)他、下肢の婦人科疾患に有効な経穴を使用し、自律神経バランスを調整するとともに五臓六腑の働きを良くし体循環を調整する治療を継続。
仕事が忙しいことでストレスも溜まりやすく、定期的な治療で体質改善していくことの必要性を説明し、週1回のペースでの来院を提案した。
生活指導としては、身体を冷やさないこと夏場での冷房の効きすぎた部屋での対応や、大きな筋肉を動かす適度な運動、バランスのとれた食事や睡眠時間の確保など、日常生活での過ごし方をアドバイス。
治療後は睡眠の質が上がった、お腹の調子が良いなど自覚が出てきたようで、自覚のあった冷えも改善されたように感じるとのこと。
鍼治療開始から3ヶ月目、「妊娠した」と報告をいただいた。