女性 70代 専業主婦
症状:左股関節の痛み
現病歴
半年前から左の股関節に痛みが出現。何もしていないときは痛みはないが、少しでも歩いたり椅子から立ち上がったりすると痛みがでる。半年前と比べても痛みの変動はない。
右の股関節は5年前に手術して人工関節になっているので、気圧が低くなると痛みが出るときもあるが、日常生活に影響はない。
首肩こりや腰痛もあるため鍼治療を選択。全身のバランスを整えてもらい、今後も動けるようにしてほしいとハリアップ六本木ヒルズ院に来院された。
鑑別診断
アリステスト・オーベルテスト陰性、パトリックテスト陽性
股関節は立ち始めや歩き始めなどに痛みが出ることから変形性股関節症を疑う。
腰部、臀部、大腿部など関節周りの筋肉の硬さもあるため、股関節に負担がかかりやすい状態になっていると考え、その筋緊張を緩め股関節にかかる負担を軽減させる。
無意識のうちに左股関節に体重、負担がかからないような姿勢をしているせいか、緊張などで体に力が入りやすいため、首や肩の凝りも自覚している。
治療法
最初は伏臥位で全身の血流を良くしたあと、腰部と臀部に鍼をした。
腰部を緩めると臀部も緩みがでたので、可動域を確認しながら関節に負担がかからないよう軽くストレッチを行った。
足の冷えも見られたため、大腿部や下腿部の硬結のある部分に単刺をしたあと、三陰交(さんいんこう)に置鍼。
ここまでの治療で施術前より足が上げやすいことを共有した。
首、肩は肩甲骨周りの筋緊張が見られるため、硬さが顕著な部分に単刺をし、上大椎(かみだいつい)に置鍼。
仰臥位で頚部と前腕のマッサージをすると頚部の回旋に変化が見られた。
全体の緊張は取れたが、局所は完全に取れているわけではないので最初の1か月は週一回の来院を提案。
2回目の来院時、前回ほどの痛みはなく少し違和感がある程度になったことを共有し、前回同様の治療にプラスで股関節の可動域をひろげる抵抗運動を行った。
股関節の痛みは軽減し、体の全身調整含めた治療で現在も継続されている。