女性 40代 会社員(デスクワーク)
症状:左首の痛み、左腕・指先の痺れ
現病歴
来院される1週間ほど前に左肩から指先にかけての痺れが出始めた。もともと首から肩にかけてのこり感は強く感じていたが、腕のほうに症状を感じたことはなく徐々に痺れが強くなり始めた。
症状が出始めてすぐに整形外科を受診し、レントゲンを撮り頚椎の間隔が狭くなっているといわれた。湿布を貰って様子を見ることになったが痛みと痺れが残ったまま。
睡眠中や首の角度により痺れが放散し、うがいをするときや左腕を前に出すように動かすと痺れが再現するため、早く症状改善したいとハリアップ六本木ヒルズ院に来院された。
鑑別診断
ジャクソンテスト、スパーリングテスト(+)
モーレイテスト、ライトテスト、エデンテスト(-)
知覚鈍麻、筋力低下は見られなかった
首の左側屈、後屈それぞれ動作時に首から肩にかけての痛みと腕への痺れが放散する
増悪因子:うがいなどの首の動作、寝ていても痛みがでる
緩解因子:入浴
治療法
治療は症状の出方、頚椎の状態から、頚椎症性神経根症と判断し第5・第6頚椎周囲の血流量増加、筋緊張の緩和、神経の賦活化を目的とした治療を行った。
あまりにも痺れが強く伏臥位になれなかったため側臥位、仰臥位にて治療。
鍼に慣れていた患者だったため、局所や肩甲骨回り、左上肢まで響きを出しつつ鍼・マッサージ整体での治療を行った。
症状が強かったため最初の3回は続けて治療することを伝え、セルフケアとして入浴での温め、症状を誘発する上を向くような動きは極力避けるように指導した。
2回目の治療の際、寝ているときの痺れは和らぎ睡眠の質は良くなった気がするが、まだ動きの中で痺れが出ることを共有。
より頚椎の神経の出口が近いところを意識して側臥位、仰臥位にて治療。
肩甲骨回りの動きも良くなってきていたので、痛みの度合いをを確認しつつストレッチも組合わせて動きの改善を図った。
3回目の治療で来院された際には、痺れはまだ残るが初回と比べると動きも良くなり伏臥位の姿勢もできるようになったと話してくださいました。
眠るときの痛みがなくなったので、それが日常生活の中では一番の変化だったそう。
前回と同様に首肩の動きの改善を図り、なおかつ神経近くの血流量増加を目的に治療。
その後も続けて治療し、5回目の治療で痺れは消失。
痺れがなくなってからも、1週間から10日に1度のペースで治療を続けて経過観察をしている。