女性 40代 鍼灸師
症状:慢性的な便秘
現病歴
4年前から慢性的な便秘症でお腹が痛む日がある。
長年、日曜日と火曜日、仕事休みの前日に下剤を飲むことで対応してきた。漢方の下剤を飲むと効果があったので、鍼の効果も見込んで来院された。
鑑別診断
食物繊維多めの食事、ストレッチ、水分を取ることは日常的に意識されている。
仕事中は忙しくてトイレに行けないので、朝食は食べない日が多い。外出先のトイレが生理的に苦手で、綺麗な施設のトイレでないと入れないことから、便意を感じても我慢をする傾向がある。
左下腹部を触診するとゴロゴロした硬さを感じる。
仕事先のストレスに自覚があること、排便のタイミングが不規則なことから、腸の機能低下による便秘と考える。
治療法
伏臥位で瘂門(あもん)、天柱(てんちゅう)、上大椎(かみだいつい)、膏肓(こうこう)など背骨の硬結部、腎兪(じんゆ)まで単刺で刺激し、上大椎に置鍼することでストレスの緩和、迷走神経に働きかける。
腰部は次髎(じりょう)、殷門(いんもん)、委中(いちゅう)、承山(しょうざん)膀胱経ラインと下腿内側を単刺。
骨盤内の神経にアプローチし、下半身の血流促進としてマッサージも併用して行う。
仰臥位では鳩尾(きゅうび)、中脘(ちゅうかん)、天枢(てんちゅう)、大横(だいおう)、関元(かんげん)、左下腹部阿是穴に単刺し、徒手にて拍動を感じるぐらいの圧で腹部を指圧した。
最後に、頚部からヘッドマッサージにて腸脳にアプローチ。
ストレスに負けないように、また腸内環境を効率よく整えるためにビフィズス菌のベイビーフローラをすすめた。
治療翌日、排便があったと報告があり、就寝前に下腹部のマッサージを行なうと翌日、排便がみられることが増えたそう。
別件で貧血のため、鉄剤(液体)を飲み始めたことで排便があるため、現在、下剤を飲まないですんでいる。