30代 女性 アパレル店員
症状:右顔面部の麻痺、目を閉じることができない
発症:2021年3月末に右顔面神経麻(ベル麻痺)を発症
現病歴
来院される4日前から顔の右側に麻痺が出始め、翌日朝起きたら目が閉じない状態になっていた。当院に来院される前に病院を受診したところ突発性顔面神経麻痺(ベル麻痺)と診断を受けた。
来院時は閉眼が出きず眼帯をされており、目の周りに重だるさのような違和感を感じていた。
ここ1ヶ月ほど前から首肩の凝り感が強く出ていたが、この春子供が小学校に入学するタイミングということもあり、卒園式から入学式まで忙しく気持ちも落ち着かなかった。
子供の入学式を控えていることもあり、早期改善が期待できる治療法を探して、ドクター・リウ鍼灸院 西新橋院の情報に行きつき来院された。
鑑別診断
顔面部の痙攣はなく、片側性の表情筋の麻痺(閉眼、眉間のシワ寄せ、口すぼめ、口角が上がらない)。
頚部や肩部の筋緊張が顕著。
治療法
顔面部の筋肉の血流を改善させるため、口元や頬、目の周りに指圧マッサージを施したあと、顔面神経の根幹部である翳風(えいふう)、顔面神経走行上の顴髎(けんりょう)に刺鍼。
刺鍼後、末梢神経の回復を目的として局部への灸刺激を加えた。
その後、首から肩にかけての筋緊張緩和を目的に体勢を変えてマッサージと鍼治療を行い、最後に口輪筋や眼輪筋の部分に刺鍼、指圧マッサージをして治療は終了。
治療後は明らかな動きの変化はないまでも、刺激感があり目の周りの重さが少し和らぎ、セルフケアとして、自分でできるツボ刺激を指導。
また、患部を冷やしたりせずに、入浴時など蒸しタオルを用いてしっかりと温めるように伝えた。
発症後、刺激感が残っているうちに週に3回の頻度で鍼灸治療をすることで早期改善につながることを説明し、2回目の治療で目の動きは少し改善され眼帯は必要なくなった。
3回目には口角が上がるように少しづつ動き始め、それ以降は週1回~2回の来院頻度とし、7回目で顔の動きの左右差はかなり改善された。
病院で顔面神経麻痺と診断後、ステロイド投与と併用して早い段階で鍼灸治療ができたこと、また提案通りに来院され鍼灸治療できたことで早期回復に繋がったと考えられる。