女性 20代 会社員
症状:左低音性難聴(突発性難聴)
現病歴
2020年9月に職場が変わり、引っ越しをしたタイミングで突然左耳が聞こえ辛くなった。
その後、耳鼻科に受診し聴力検査を受けたところ左耳の低音性難聴と診断された。
最近は身体が緊張してしまい寝つきが悪く、睡眠不足になるとピーンという耳鳴りがする。左耳は閉塞感もあり聞こえ辛い状態が続いていて、早く改善したいとドクター・リウ鍼灸院に来院された。
鑑別診断
環境が変わったことで自律神経バランスが乱れ、難聴や耳鳴りの症状が出始めたと考えられる。
また、頚部や肩、腹部の緊張が顕著なことから交感神経優位であると判断し、ストレス性の突発性難聴と判断した。
治療法
まずは左側を上にして側臥位で頚部から上肢までマッサージを行い筋緊張緩和を。
その後、完骨(かんこつ)、扶突(ふとつ)、上大椎(かみだいつい)、肩井(けんせい)、曲池(きょくち)、手三里(てさんり)、中渚(ちゅうしょ)に単刺を行い経絡の流れ、血流改善を図った。
翳風(えいふう)、聴宮(ちょうきゅう)に置鍼し、抜鍼後、鼓膜に空気を送り聴神経を刺激する手技を行った。
この時点で耳の閉塞感が軽減したことを共有。
次に仰臥位にて自律神経バランスの調整のため腹部・頭部のマッサージを行ったところ、耳鳴りが小さくなったと仰っていただいた。
1回目の鍼治療から身体の軽さ、耳の閉塞感が軽減され自分の声が聞こえやすくなったと鍼治療の効果を実感された。
2回目の治療は1週間後に1回目同様の内容で治療を行い、治療後は閉塞感が消失。
突発性難聴と診断され病院で処方された薬の服用と合わせて鍼灸治療を行うことで、より早期に症状を改善することが可能です。