男性 40代 会社員(テレビ局技術職)
症状:左肩の痛み
発症:2021年8月
現病歴
2021年の夏頃から左肩に違和感を感じ、段々と腕が挙がらなくなった。現在は上の物を取るときや、入浴中に頭を洗うときに痛みを感じる。安静時痛や夜間痛はなく、痛みで夜中に起きることもほとんどない。
テレビ局で技術職をしているため基本的に夜中3時に出社し、モニターを見ながらの業務が多く重いものを持つことは少ないため、痛みによる仕事への支障はないそう。
このまま肩の痛みが続くことで今後仕事へ影響が出るのを避けるため、インターネットで治療できるところを検索し、ハリアップカレッタ汐留院の症例報告を見て来院を決めた。
鑑別診断
肩関節の可動域を確認したところ、外転と屈曲共に90度ほどで痛みが出現。
肩こりは慢性的で常に感じているとのことで、肩周りの筋緊張は顕著。腱板損傷や肩峰下滑液包炎を疑うテスト法を行ったが陰性。五十肩(肩関節周囲炎)と判断し治療を行う。
治療法
1回目の鍼治療では、頚部・肩部から肩甲骨周囲と肘周囲にアプローチ。左肩可動域の改善を図るため、筋緊張緩和と血流を増進させることを目的に治療を進める。
まずは伏臥位で肩周りと背中の筋緊張を取り除くため、背部を全体的にマッサージし、天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、上大椎(かみだいつい)、膏肓(こうこう)、肩貞(けんてい)に刺鍼を。
その後、側臥位にて関節可動域の改善のため、肩周りの整体とドクター・リウ・メソッドの五十肩治療のポイントである肘部にアプローチし、翳風(えいふう)と合谷(ごうこく)に置鍼した。
肩髃(けんぐう)、手三里(てんさんり)、曲池(きょくち)に単刺したところ、施術後は外転屈曲ともに、110度程に改善し、腕を動かしたときの痛みは10から5に軽減した。
2回目の治療は1週間後。肩が張って重だるい感じはかなり改善したが、痛みは前回の治療後あまり変わらず。
前回同様の流れに加えて、生活のリズムが不規則になっていることもあり、内臓機能のバランス調整のため、お腹にアプローチ。
中脘(ちゅうかん)、天枢(てんすう)、大横(だいおう)に刺鍼。腸内環境の悪化が肩の痛みにも繋がるため、ビフィズス菌サプリメント(ベイビーフローラ)を紹介。現在は1日1包飲んでいる。
3回目の治療時点では、左肩の痛みがかなり軽減し、鍼治療の効果を実感され、現在も10日に1度のペースで来院されている。