女性 50代 会社員
主訴:くすみ、むくみ、肩こり(食いしばりがひどく口が開けにくい)
既往歴
膵炎
現病歴
定期的にハリアップ丸ビル院に来院されている患者さん。肌の弾力のなさ、たるみ、くすみが気になる。長期間マスクを使用し始めて、たるみにもたつき、血色の悪さが加速している気がする。
以前膵炎になったこともあるので、身体の状態も診て欲しいと再来院された。内臓機能の調整とお顔の悩み解消が主のため、組合わせて対応できるオーダーメイド美容鍼のコースを提案した。
鑑別診断
現在は、腹痛や下痢等の症状はないが、腹部の重い感じがある。
お腹の症状は出ていないが、腹部を触診すると硬結があり拍動する部位もある。逆に、軟弱で凹んでいる場所もあり、その差が激しい。
背部、特に左側背部(下方)の張り感が顕著で、足裏の消化器系(反射区)の硬さも顕著。膵炎を発症されていた当時に比べると状態は改善していても、身体には症状がしっかり表れていることが確認できた。
治療法
消化器系の経絡の経穴のアプローチは必要だが、内臓全体のバランスを考えなくてはならない。顔周りには、胃経・大腸経と消化器系のツボが多いので、美容の効果も出しつつ、しっかり内臓のケアも行うことを説明し治療開始。
婦人科疾患や月経痛にも効果のある三陰交(さんいんこう)に刺鍼。ほか、臓腑を調整し血を補うため、陰陵泉(いんりょうせん)、陽陵泉(ようりょうせん)、血海(けっかい)、背部の肝兪(かんゆ)、脾兪(ひゆ)、腎兪(じんゆ)、骨盤部の上髎(じょうりょう)、次髎(じりょう)に刺鍼した。
ホルモンバランスの乱れは、中枢神経への刺激が有効なので、頚部の風池(ふうち)、啞門(あもん)、百会(ひゃくえ)に刺鍼し、足裏の消化器系の反射区の刺激も行った。
顔面部には、しみ、くすみにも効果のある四白(しはく)、迎香(げいこう)、地倉(ちそう)、頬車(きょうしゃ)、承漿(しょうしょう)に置鍼。最後に手技を施し、たるみを引き締めた。
治療後は、お肌が明るくなり、たるんでいた頬もアップした。
帰宅後、旦那さまに「あれ?何かした?」と聞かれたと嬉しそうに話してくださり、治療した私まで嬉しくなりました。褒められることで、さらに美しくなるのも納得。
生活指導
膵炎といえば、アルコールと胆石。油ものが好きで、アルコールをよく摂取される男性に多い疾患というイメージがありますが、女性だと特発性(原因不明)のケースが多く、消化酵素やインスリン等のホルモンの働きが悪化することで糖尿病を発症することもあります。
アルコールと油ものの摂りすぎ以外にも、女性は特に甘いものが好きな人が多く、ストレスによる糖分の過剰摂取も控える必要があります。ケーキは甘いだけでなく、クリームにも油分が含まれているので、ふだんのお食事・おやつの選び方を指導。