30代 女性
症状:右顔面部の動かしづらさ
発症:2019年11月頃
現病歴
2年前の11月頃から突然、お酒を飲んだ翌日に左の顔が動かしづらくなってしまった。その翌日には症状が軽快したが、お酒を飲む度に増悪寛解を繰り返していた。
それからお酒を控えていたが、来院される2~3週間前からお酒を飲んでいないが顔の左側が張っている感覚、顔の筋肉が動かしづらい症状が出現したので、来院される1週間前に耳鼻科に受診したところ顔面神経麻痺ではないと診断を受けた。心配になり、早く改善できる鍼灸院を探してドクター・リウ鍼灸院 西新橋院に来院された。
鑑別診断
目立つほどの左右差はないが、左側の目が閉じづらい、口が動かしづらい、頬に違和感がある。
患者の症状、状態から顔面神経麻痺(ベル麻痺)と判断した。
治療法
仰臥位で左の頬筋、眼輪筋の神経を刺激するために指圧マッサージを。
その後、顔面神経麻痺の根幹部である翳風(えいふう)、頬車(きょうしゃ)、顴髎(けんりょう)、太陽(たいよう)に対し、単刺にて刺激を与え、翳風、け顴髎に置鍼した。
次に側臥位にて左頚部、肩部の緊張を緩和させ顔面部への血流改善を目的にマッサージと完骨(かんこつ)、風池(ふうち)、天柱(てんちゅう)、上大椎(かみだいつい)に単刺にて刺激し、再度、仰臥位で頬車、顴髎に単刺で刺激を行い、1回目の治療を終了とした。
治療後は健側(右側)と同じように動かすことができるようになり、頬の張り感が改善された。
2回目の鍼治療は6日後に。仕事後は動かしにくさが少し戻った感じがあったとのこと。
1回目と同様の流れで施術を行うこととしたが、刺激量を少し増やし行うことを説明し頬車、顴髎に刺激を加えたところ、2回目の治療後も健側と変わりなく顔を動かせるようになった。
8日後に再来院された際には、前回の治療後から左右差がなくなり違和感もないとのこと。
3回目の治療は2回目と刺激量も変えず、前額部に切皮程度で刺激を加え顔全体の神経に対しアプローチし、3回で一旦治療を終了とした。
耳鼻科で顔面神経麻痺と診断されないケースもあり、そのまま経過してしまうと後遺症となり回復に時間を要する場合があります。
早期に鍼灸治療を行うことで治療効果が大きく変化しますので、顔の動かしづらさ、違和感等を感じたタイミングでご相談ください。