女性 40代 会社員(デスクワーク)
症状:右肩の痛み
発症:2021年2月
現病歴
来院される半年前、転倒して右肩を打撲した。2週間程して転倒したときに打撲したの肩の痛みが治ってきたかなと思った矢先、それまでの肩の表面の痛みとは違う肩の奥の痛みが気になるようになり出した。
徐々に痛みが強くなり、髪を洗うことがつらくなってきたため、発症して2週間後に近くの整形外科を受診し四十肩と診断された。整形外科では痛み止めの飲み薬と湿布を頂くだけで積極的な治療はなく、症状も平行線であったため、症状改善を目指して接骨院で診てもらうようになった(発症後1ヶ月)。
接骨院を受診し5ヶ月近く経過したが症状は改善されず、現在でも髪を洗うとき、電車などでつり革を持つときに痛みを強く感じる。このままずっと肩が痛いままになってしまうのではないかと心配になり友人に相談したところ、ハリアップ六本木ヒルズ院を紹介され、少しでも早く症状を改善したいと思い来院した。
鑑別診断
頚部:自動運動…全て(-)
肩部:自動運動…屈曲(+…100°で疼痛発生)、伸展(-)、外転(+…100°で疼痛発生)、内転(-)、外旋(+)、内旋(+)、結髪障害(+)、結帯障害(+…15cm)…肩前面に痛み
ヤーガソンテスト(-)、スピードテスト(-)ストレッチテスト(-)、ドロップアームテスト(-)、ダウバーン徴候(-)
増悪因子:寒冷刺激、緩解因子:入浴
肩甲骨内縁、腋窩周辺の筋緊張が顕著にみられる
治療法
1回目の鍼治療は頚肩から背部、上肢、肩甲骨内縁、腋窩、肘周辺の筋緊張緩和、血流改善を目的とした治療を勧めていく。
上記中心に全身にマッサージ施術も行ったあと、天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、上大椎(かみだいつい)、膏肓(こうこう)、右肩髃(みぎけんぐう)、右肩貞(みぎけんてい)に鍼刺激をし、天柱、上大椎に置鍼を。そのあと、上肢中心にストレッチを行った。
肩甲骨、腋窩のアプローチをかけた際、当初は痛みが激しかったが、施術後半になると痛みが大幅に改善、それに伴い施術後の肩の可動域改善(屈曲:100°→150°、外転:100°→165°)した。ただ、結帯障害の改善は少ない(20cm→15cm)ため、次回施術の際は肘周りをより重点的に施術することを共有し、症状の経過、増悪因子、緩解因子をふまえて現状は炎症がある可能性が低いため、入浴後などのコッドマン体操の励行、肩を冷やさないことを意識するよう指導。次回施術は患者の予定をふまえ1週間後に施術予定とした。
その後の治療は、1回目同様のアプローチに加え肘周り中心のアプローチ(マッサージ・鍼・ストレッチ)を追加。
屈曲、外転に関しての症状改善はは術後は良いが1週間持つか持たないかくらい、結帯障害に関しては肘のアプローチをかけることで改善(当初20cm→10cm)してきているので、引き続き継続して週に1回の治療を行う。
最初の治療から約1ヶ月半後くらいには、前回後、屈曲、外転は痛みなく180°までできるようになった。結帯障害に関しても20cm→5cmまで改善してきているため、日常生活がかなり楽になり、髪を洗うときも負担なくできるようになったことが嬉しいと話してくださった。
今後も継続した鍼治療による症状の早期消失を目指し、回復した後は定期的なメンテナンスで症状の再燃を抑えていく。