30代 女性 会社員
症状:頭痛(片頭痛)
現病歴
10年前に群発頭痛と診断され最近は症状が落ち着いていたが、来院される5日前(2021年9月4日)から激しい頭痛と閃輝暗点(片頭痛にみられる症状で目がチカチカ光り頭痛が生じる)が出始めた。
痛みや頭痛が生じる時間は日によって異なり、片方の目がチカチカすると反対側の側頭部に頭痛が生じる。のぼせやすいが手足は冷えやすい。
頭痛の症状が長引くと仕事や日常生活にも支障が出るので、早めに痛みをとりたいとドクター・リウ鍼灸院に来院された。
※群発頭痛:1ヶ月くらいの間、毎日のように比較的短時間(多くは30分から1時間)に、左右どちらかのこめかみ、または目の奥が激しく痛むのが群発頭痛です。
鑑別診断
頭痛の性質はズキズキとした拍動性の痛みであり、頭は熱いが足は冷えていることから、気が上ってしまい脳の血管が拡張したことによる片頭痛と判断した。
東洋医学的に「気」とは、人間を生かしている根源的なエネルギー、生命力と捉えています。
治療法
まずは伏臥位にて足元に赤外線をあてて気血を下げつつ、全身のマッサージと脳脊髄液の循環を改善するために脊際部への手根揉捏を行った。
その後、頚部の筋緊張を改善するために天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、完骨(かんこつ)に単刺を行い、自律神経調整のために上大椎(かみだいつい)に置鍼を行った。
次に仰臥位にて伏臥位同様、足元に赤外線をあて温めながら、頭部のマッサージ、百会(ひゃくえ)、角孫(かくそん)に単刺を行い1回目の鍼治療を終了とした。
施術後は頭のすっきり感や頚部、肩の筋肉の緊張がほぐれたことを共有し一週間後の来院指導を行った。
2回目は一週間後に来院。
前回治療後から来院までの間で頭痛は2日しか起きず、痛みが軽減し閃輝暗点の範囲が狭くなったとのこと。
治療法、刺激量は変えず前回同様の治療を行った。
3回目も一週間後に来院。
頭痛は1~2日起きるが閃輝暗点がなくなったことを共有。
で頭痛は軽減し、体調を良い状態で維持するため、現在は月に2回のペースで治療を継続。
頭痛の原因、種類を的確に把握し適切な治療を行うことで、薬で症状を抑えるのではなく、頭痛が起きづらい体質改善が鍼灸治療では可能です。