女性 20代
症状:ストレスによる便秘
発症:2021年9月
現病歴
2021年9月頃、就職試験の一週間ほど前から長時間の勉強やプレッシャーからか肩こりや不眠、胃の不調、食欲不振などの症状が続くようになった。色んな症状が出始めるようになったと同時に便秘になり、お通じが一週間ほどきていない。
疲労や症状を感じながら何とか試験は乗り切ったがその後もお通じがきておらず、他の身体の不調もあったため、就職試験の2日後に普段から通っているドクター・リウ鍼灸院 渋谷院に来院された。
鑑別診断
胸鎖乳突筋、僧帽筋と、脳神経支配の筋肉の緊張が顕著。腹部は胃のあたりや下腹部に特に強い張り感があり、中脘(ちゅうかん)、天枢(てんすう)、関元(かんげん)、水分(すいぶん)、大横(だいおう)と腹部周りのツボを刺激した際は反応があった。
長時間の勉強やプレッシャーにより交感神経優位の状態が続いたことから、消化器や腸の機能が低下、滞りやすくなっていることが考えられる。
治療法
伏臥位で全身のマッサージのあと、中枢神経、自律神経の調整を目的に天柱(てんちゅう)、完骨(かんこつ)、上大椎(かみだいつい)に刺鍼。そのあとに、胃腸の動きを促進させるため膏肓(こうこう)、胃や腸の裏にあたる脊際に刺鍼した。
上大椎に置鍼後、状態を確認してみたところ、身体の力が抜けてきて呼吸もしやすくなっていることを共有。
その後、仰臥位で中脘、天枢、関元、水分、大横とお腹をメインにマッサージと刺鍼。大横に刺鍼後グーッとお腹が鳴る音が聞こえた。仰臥位の治療の間は患者様も寝息をかきながら眠っていた。
治療後、体を起こすと肩こりや胃の不快感は消失。日常生活においても腸内環境維持は必要と説明し、ベイビーフローラを朝晩1日2包をお勧めし、その日の治療は終了。
2回目の治療は一週間後。
体の不調と便秘に悩んでいたのに、前回した当日にしばらくぶりのお通じがきて、その後は毎日すっきり排便できているとのことで、大変喜ばれていた。
この日は首肩の張りと中枢神経を整える脳神経疲労のための鍼治療を行い、スッキリして帰っていかれた。
極度のストレスや疲労で体が悲鳴をあげているときは、無意識のうちに胃腸の働きが停滞しどうにもならないことがあります。
それだけストレスが影響した胃腸の症状、便秘や下痢、過敏性腸症候群は薬だけの対処療法では症状が長引くケースが多いので、根本原因にアプローチし体を整えることをお勧めします。