男性 30歳 会社員
症状:不眠症
現病歴
仕事が忙しく、テレワークでも夜中までパソコンで仕事をしていて疲労が溜まっている。普段から睡眠は浅く、午前5時くらいに目覚めてしまうことが多い。
また、来院される1週間くらい前から入眠障害も出てきたため、体のバランスを整えたいとハリアップに来院された。
鑑別診断
頚部から肩部、背中にかけての筋緊張が強く、特に前頚部、後頚部(胸鎖乳突筋や頭半棘筋・頭板状筋など首の付根周辺の筋肉)の緊張がかなり強かった。
基本的に長時間のデスクワークを行っており、特にテレワークでしっかりとしたデスクで仕事ができていないこともあり、姿勢が前傾気味で内臓を圧迫し、それに伴ううっ血と首や肩・背中の筋緊張で呼吸が浅く、自律神経バランスの乱れが原因で不眠を招いていると判断。
治療法
うつ伏せで天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、大椎(だいつい)、上大椎(かみだいつい)、神道(しんどう)、身柱(しんちゅう)、膏肓(こうこう)、志室(ししつ)に刺鍼を行い、脳脊髄液バランス、自律神経のバランスを調整。次に、仰向けで腹部にマッサージを行い、中脘(ちゅうかん)、天枢(てんすう)、関元(かんげん)、気海(きかい)、足三里(あしさんり)、三陰交(さんいんこう)、陰陵泉(いんりょうせん)などに刺鍼した。
頭皮の硬さも顕著だったため、頭部のマッサージ、散鍼や太陽(たいよう)、攅竹(さんちく)、魚腰(ぎょよう)、四白(しはく)といった目の周りのツボにもマッサージで刺激を与えた。
施術をした日はよく眠れるようになったが、1~2週間ほどで眠りにくくなってきてしまうという状態のため、2週間を目途に継続して来院されている。
生活指導
メラトニンを生成するためにもしっかりと朝日を浴びること、またホルモン生成に重要な腸内環境を整えるために食事の指導と仕事中の姿勢に気をつけることや空いた時間で首や肩を動かして筋肉の緊張を持続させないように指導した。