女性 30代 経営者
症状:腹部の膨満感、胃もたれ
既往歴
子宮筋腫
現病歴
来院される2週間前から胃腸の調子が悪く(腹部膨満感、胃もたれ)、前日から足が浮腫んで痛いと感じるほどに。
子宮筋腫があり生理前は30分おきにトイレに行きたくなってしまうほどの頻尿で、ときどき腹部の痛みも伴う。
仕事はケーキ屋などの経営をしているため甘いものを試食することが多く、ワインソムリエもしており、コロナ前は毎日ワインを多量に飲んでいたそうで、仕事が忙しく基本的に睡眠は3~4時間しかとれていないそう。
おなかの不調改善と自律神経バランスを整えたいとドクター・リウ鍼灸院に来院された。
鑑別診断
腹部を触診した際、ところどころに硬さもあり全体的に腹部が張っていて下腹部が冷えていることから腎機能が低下していると判断した。
足が浮腫み冷えている。普段から食事は偏っておりお酒を飲むため背部の張り感もあり肝臓が疲労している。
普段の生活習慣に加え、睡眠時間が短く自律神経バランスの乱れからエネルギーの源となる内臓機能が低下していると判断した。
治療法
まず仰臥位で冷えている足元に赤外線を当てつつ腹部に対してマッサージを行い、身体の水分代謝を改善するため水分(すいぶん)、関元(かんげん)に置鍼し、そのあと三陰交(さんいんこう)にも置鍼を行った。
その後、自律神経調整のために頭部に対してマッサージを行い、百会(ひゃくえ)、角孫(かくそん)に単刺を行い伏臥位に。
脳脊髄液、体の気の流れを改善するために頚部の阿是穴、上大椎(かみだいつい)、大椎(だいつい)、志室(ししつ)、委中(いちゅう)、承山(しょうざん)に単刺し腎機能改善のため志室に置鍼した。
治療後は足の浮腫みと痛み、腹部の膨満感が改善され、ベイビーフローラをお渡し、まずは1日1包を食後に飲んでいただくように指導した。
2回目の治療は1週間後。
腹部の張りはなくなったが、来院される前日に仕事で甘いものをたくさん食べてしまい、足の浮腫みと体のだるさがある。
治療の流れは大きくは変えず、今回は胃の機能を高めるため天枢(てんすう)に置鍼、足三里(あしさんり)に単刺を行った。
治療後は足の浮腫みはなくなり、胃の重だるさも気にならないほどに改善。
3回目は6日後に治療を。足の浮腫み、腹部の膨満感もなく、ベイビーフローラ飲み始めてから胃腸の調子がとても良いと嬉しそうに話してくださった。
今は子宮筋腫を大きくしない、頻尿を改善させるために治療を継続している。
普段の生活習慣や食事が基本となるため、鍼灸治療とプラスして生活習慣の改善を意識してもらっている。