男性 60代 会社員(デスクワーク)
症状:左肩の痛み
現病歴
2011年4月に草刈りをした次の日から左の肩が痛くなった。痛みは徐々に増していき、1週間後には服に袖を通すのも困難になった。
整形外科を受診し、肩関節周囲炎と診断され、湿布と痛み止めの薬を処方され、何回か通院し痛みの軽減後はリハビリもしてもらった。そのうち自己判断で通院はやめてしまった。
現在、腕を動かすのに不自由はないが、時折ふいに痛みを覚えることがあるため、ハリアップを受診された。
鑑別診断
腕を動かしてもらい可動域を見たが特に制限はなかった。ペインフルアークサイン陰性。
患者は最初、漠然と肩が痛くなると表現していたが、圧痛点は肩の前面に集中していた。ヤーガソン陽性。ストレッチテスト陽性。徒手検査から、肩関節周囲炎の後遺症としての二頭筋長頭腱炎と考えた。
治療法
上腕二頭筋を中心に緩めることと、前腕部、とくに肘周りの筋肉の緊張もとっていくことを共有し、伏臥位では、首から肩部、背中まで広範囲にマッサージと鍼をした。
側臥位で結節間溝部には響きを感じるくらいの鍼刺激を与え、同部と二頭筋筋腹に置鍼。施術後は、ヤーガソンテストを再び行い、痛みの軽減を認めた。
生活指導
二頭筋長頭腱炎が、肩関節周囲炎の後遺症として現れているのだろうと説明し、痛みを感じる動作を極力しないよう指導した。
また、いわゆる五十肩は何もケアしないと、半年から1年以上痛むことがあると説明し、当院ハリアップで定期的な鍼治療を提案した。施術後4~5日の間は違和感はないが、それ以上空くと、時折痛みが戻るとのことで、現在は1週間から10日の間隔で来院されている。治療を重ねるごとに、痛みを感じる頻度は激減している。