女性 50代 会社員
症状:慢性腰痛、腰椎すべり症
現病歴
第4腰椎すべり症・右肩関節周囲炎
来院される半年前に買い物袋を持ち上げた瞬間に右腰を痛めた。
学生時代にソフトボールをしていて腰を痛めた既往歴はあるが、その時はすべり症と診断されなかった。そこから腰痛が慢性的に出るようになっていた。
右腰、腸骨稜から仙腸関節にかけての痛みと、体幹伸展時と歩行時、とくに右足加重時に右臀部から大腿後面の疼痛がある。
散歩が好きで休日は必ずどこかへ出かけていたが、腰痛で今はそれができなくてストレスが溜まり、体重も増えてしまい、早く腰痛を改善したいとハリアップに来院された。
鑑別診断
X-ray(+)軽度すべり症が見られた
MRI検査にて、軽度神経根圧迫がみられた
SLRテスト(+)、FNSテスト(+)体幹伸展、後屈にて疼痛出現
また、下肢の筋力低下がみられた。
治療法
首、背中、腰、股関節、すべてが緊張していたので、腰椎に負担がかからないように全身に鍼・マッサージ整体を施す。
膀胱経と腎経の気を流すために志室(ししつ)、環跳(かんちょう)、委中(いちゅう)、殷門(いんもん)に刺鍼し、次に坐骨神経のラインに沿って陽陵泉(ようりょうせん)、飛揚(ひよう)に刺鍼後、気血の通りを良くして神経を活性化させるため志室、環跳に置鍼を。後屈するときに腰椎への負担を減らすため、背中と股関節を入念にほぐしてから、股関節と下腿の抵抗運動で弱っている筋肉の活性化を図った。
その後、総院長開発の腰痛マシンを使って、患者自身の自重で無理なく椎体間を引き延ばしながら、腰部周囲の筋肉のストレッチとトレーニングを行った。
治療期間としては約4ヶ月半、週に1回。初回から3回目までは詰めて通ってもらい、6回目くらいに顕著に効果が出始めた。
その後は徐々に痛み、痺れのコントロールができていて、最近は痛みが出る頻度が少なくなっている。
趣味の散歩も徐々に距離が伸びていき、ストレスも軽減されたと話してくださった。
生活指導
自宅では股関節やお尻の筋肉のストレッチと座るときの姿勢が大きく曲がるように座らずに、クッションを背中に挟みながら作業をするよう伝えている。