女性 40代 主婦
症状:左肩の痛み
現病歴
来院される1ヶ月くらい前から、左肩に痛みが出現。特に思い当たる節はなく、すぐに治るだろうと思い放置していたが、なかなか痛みがとりきれず、徐々に肩の動きが悪くなってきたのでハリアップに来院。
主婦なので、掃除や洗濯、料理など家事をおこなっている。洗濯物を干したり、お風呂で頭を洗うとき、料理でフライパンを持ったときなどに痛みを感じる。
夜間痛はなく、睡眠の途中で起きることはないが、朝が一番動きが悪く辛い状態に。
鑑別診断
肩関節屈曲、外転、外旋、結髪、結帯で痛み(+)、可動域制限あり。
ドロップアーム(-)、ペインフルアーク(-)、インピンジメント(-)、ヤーガソン(-)
肩に痛みが出る他疾患の検査は陰性のため、肩関節周囲炎の中でも五十肩ではないかと考えた。また、夜間痛や早朝の痛みなどがないことから内臓性の可能性は低く、肩関節の周りの筋肉や腱に原因があると考えた。
治療法
まずは伏臥位で頚部から肩部、肩甲骨周りのマッサージをし、天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、完骨(かんこつ)、上大椎(かみだいつい)、膏肓(こうこう)に刺鍼し、首肩の筋肉の緊張緩和、血流改善を図った。次に側臥位で、頚部から肩部と腕にかけてマッサージ。特に肘周りを重点的に指圧し、翳風(えいふう)、肩髃(けんぐう)、合谷(ごうこく)に刺鍼し、肩から上腕部、前腕部の緊張緩和と血流改善を図った。
そのあと肩関節の可動域を広げるための整体を。
仰臥位では胆嚢点(たんのうてん)に刺鍼し、首肩、頭のマッサージを行ったあと、再度、椅子に座ってもらい、肩関節の整体で可動域を確認した。
生活指導
肩周りの筋肉の緊張をほぐし、痛みの緩和と可動域改善のために、壁に手をついて体重をかけて行う肩のストレッチを指導。また、首肩のこりもあるので、お風呂上がりなど身体が温まって血流が良くなった状態でストレッチをするとより効果的なことをお伝えし、普段行える首肩のストレッチも指導した。