30代 女性 主婦
症状:右顔面神経麻痺(ベル麻痺)
現病歴
鍼治療開始の2ヶ月前に右側に顔面神経麻痺を発症。前日に右後頭部に頭痛があった。
仕事の忙しい時期があけて旅行へ行き、旅行から帰ってきて翌朝に発症。何が起きたかよくわからなかったが、異変に気付きすぐに病院を受診し、顔面神経麻痺と診断された。
手術はせずに薬での治療で回復を目指していたが、思ったように回復せずに麻痺が残っているために鍼灸治療を選ばれた。
鑑別診断
患側の右側の口角が上がらず、まぶたも閉じない。眉も動かず、食べた物が横から溢れてしまう。
治療法
病院での治療は平行して続けてもらい、鍼灸治療で動きが出ていない、動きの悪さを改善させるために治療を行うこと、ドクター・リウ・メソッドでは、治療ポイントを絞って少ない鍼で治療を行うことを患者と共有。
発症後2ヶ月で来院されたこともあり、治療の間隔をなるべく開けずに、筋肉の反応を確認しながら鍼の刺激量、刺激の時間も様子を見ながら行った。
鍼治療を開始して3回目から動きに変化が見え始め、瞼も少し閉じるようになり、同時に口角も上がるようになってきた。変化を実感された3回目以降、治療を重ねるごとに動きも少しずつ大きくなり、患者自身も変化を実感され、積極的にセルフケアを行っていた。
8回の鍼治療でほぼ完治。
治療は終了したが寒くなる時期に入るので、1ヶ月に1度、または動きが気になったときに来院してもらうように指導した。
生活指導
治療中は動きが悪かった頬や口周り、眉などを丁寧にマッサージしてもらうように伝えた。毎日、気がついたときにはマッサージしてもらい、患部、とくに顔面神経根幹部あたりは冷やさないようにも伝えた。
寒くなる季節は意識していないと顔が冷えやすいので、自宅に帰ったとき、入浴中も少し熱めの蒸しタオルで患部を温めることもお伝えした。
このように鍼治療と自宅でのセルフケアの併用は、顔面神経の回復を早めるうえでにとても有効なことです。