女性 20代 大学生
症状:肌荒れ、吹き出物
現病歴
普段は主に首肩こり解消で来院されている患者。今回は肌荒れ、吹き出物の治療で、美容鍼を希望された。
患者の顔には、頬、顎、口周りと額に吹き出物ができていた。秋ごろから肌が荒れ始め、ニキビが気になるようになった。特に生理前にお肌の状態が悪くなるとのこと。ポツポツとした吹き出物は赤く、炎症状態にあった。普段からの治療の過程で便秘の症状もあることを共有していたので、美容鍼コースではなく、腸へのアプローチが重要と判断し美腸鍼コースを案内し、施術に入った。
鑑別診断
最初に美容鍼を希望したいたこともあり、化粧はしていなかった。肌は乾燥気味。前髪はおろしており、額にかかっているのも額の吹き出物を刺激していた。
脈を確認すると弱く細い。一人暮らしのため食生活も乱れがちで、手足にも冷えがみられた。
治療法
仰臥位にて下腿部を温めつつ、便秘の解消と消化・吸収力アップを目的に腹部のマッサージ。腸へのアプローチは、免疫力の向上と自律神経を整えるのに効果的と説明する。
腹部のツボ中肝(ちゅうかん)・天枢(てんすう)へ置鍼し、赤外線を当てて温める。お腹を温めながら首のマッサージで脳脊髄液にアプローチ。リラックス効果を狙い、頭部と目元のマッサージを。
美腸鍼のすべての流れを終えた後、抜鍼して改めて腹部のマッサージを繰り返した。最初のマッサージで受けた腹部の圧迫感と痛みが軽減していることを実感して頂き、今回の治療を終了した。
生活指導
「腸内環境を整えることによる、便秘の解消・胃腸機能の向上」と「顔面部のスキンケア」を2つの柱としてセルフケアを指導した。
具体的には、腸内環境へはビフィズス菌・乳酸菌・食物繊維・水分多めの摂取。顔の肌荒れには、適切な頻度の洗顔と保湿、髪の毛や化粧品、マスク・マフラーでお肌を刺激しない工夫。
同時に、ストレスを溜めないこと、充分な睡眠、バランスのとれた食事、適度な運動など基本的な生活習慣のアドバイスもした。その後、何回かいつも通りの鍼治療を重ね、顔の皮膚トラブルが収まってから、念願だった美容鍼コースを受けて頂いた。現在も治療継続中。