30代 女性 専業主婦
症状:頭痛
現病歴
5年ほど前に出産し、その後、生理がくるたびに頭痛がするようになった。寝込んでしまうこともあり日常生活に支障をきたしてしまうほど。それに加え腱鞘炎もあり、首肩のつらさも感じている。
もともと肩こりや首肩、背中の硬さの自覚はあったが、育児に追われる日常で体のメンテナンスはほとんどしたことがなく、今回ハリアップに来院された。
鑑別診断
肩は内巻き、背中は丸まり、頭は前に出て首は詰まったようま姿勢で筋肉は硬くなっている。
肩や肘、手首の可動域制限があり腕が真っ直ぐ上がらない。抱っこや家事などの日常生活での体の使い方の癖が強くでている。
頭痛は筋筋膜性によるものと産後から発症し生理周期に起こること、それ以前は症状がなかったことからホルモンバランスの乱れも関係していると考察。
また、腱鞘炎の症状はフライパンなど握って力を入れたり、ねじれが加わると痛みが肘まで痛みが走る。原因としては産後のホルモンバランスの乱れや赤ちゃんを抱っこする機会が増えたことによる使いすぎも考えられる。今回は筋肉の緊張をとりつつ、自律神経を整えホルモンバランスの調整を促すようにアプローチしていく。
治療法
伏臥位で体全体の状態を把握するため、手技にて全身の筋肉を緩めてから鍼施術をしていく。
まずは体の筋緊張、自律神経の緊張を緩める目的で後頭部から仙骨まで単刺をし、自律神経へのアプローチの目的で後頭部と頚部のツボに置鍼を。
また、腰から骨盤周りの状態を確認し、股関節の可動域をひろげ下半身を緩め体全体に血流を促すことを目的に仙骨に置鍼し、骨盤内の血流を良くし子宮にもアプローチをかけた。
次に側臥位で首、肩肘の可動域を確認し、大胸筋、上腕、肘に刺鍼し、仰臥位で腹部の張りが強いため置鍼をし、再度、肘、手首の動きみて刺鍼した。
最後に頭部を手技にて緩めることで交感神経を落ち着かせ、副交感神経優位に働きかけ体の緊張をとり終了とした。
生活指導
治療終了後に体の力が抜けていること、腕が動かしやすくなっていることを実感してもらった。日常生活では無理はせず休めるときは体を休めてもらうことで効果を持続させてほしいと伝え、今までの体の状態からすると治療前の状態に戻りやすいと考え、次回は一週間以内の治療が理想と提案。
コーヒーや紅茶のカフェインの入った飲み物は避けることと、就寝前の軽めのストレッチを行うことを指導した。